ノーコードプログラミングとは?知識や活用方法・おすすめツールを5つ紹介

「ノーコードプログラミングって何だろう?」
「プログラミングの知識がなくても本当に大丈夫?」
「ノーコードで具体的に何ができるのか知りたい」
ノーコードプログラミングは、ソースコードを書かずに、アプリやWebサイトを開発できる画期的な方法です。専門知識がなくても、アイデアを形にしたり、会社の業務を改善したりできます。しかし、多くのツールがあり、どれを選べばよいか迷ってしまう人もいるでしょう。
本記事では、ノーコードプログラミングの基本から、ローコードとの違い、メリット・デメリット、具体的な活用方法まで詳しく解説します。
なお、ノーコードツールの導入コンサルティングを活用したい方は、「伴走ナビ」にご相談ください。
目次
ノーコードプログラミングとは?ローコードとの違い

ノーコードプログラミングとは、コードを使わずにアプリやサイトを開発する手法です。似た言葉に「ローコード」がありますが、特徴は少し異なります。
ここでは、次の2つの違いを分かりやすく解説します。
- ノーコード
- ローコード
それぞれの違いを理解して、あなたの目的に合う方を見つけましょう。
ノーコードとは
ノーコードとは、プログラミングの知識やスキルがなくても、アプリやWebサイトを開発できるツールです。見たままを直感的に操作できる画面が特徴です。
主な操作は、あらかじめ用意された部品をドラッグ&ドロップしたり、マウスで設定項目を選んだりするだけです。プロのエンジニアでなくても、自分のアイデアをすぐに形にできます。
社内の小さな業務改善から、新しいサービスの試作品づくりまで、幅広い場面で役立ちます。
ローコードとは
ローコードとは、最低限のプログラミング記述を組み合わせることで、アプリやWebサイトを開発するツールのことです。ノーコードよりも専門的な知識が必要ですが、その分、より複雑で独自の機能を実装できます。
ノーコードが非エンジニア向けであるのに対し、ローコードは企業のシステム担当者など、ある程度の知識を持つ人が使う場合が多いです。大規模なシステム開発や、会社の基幹システムとの連携など、セキュリティや拡張性が求められる場面で力を発揮します。
ノーコードでは実現が難しい、より高度なカスタマイズをしたい場合に選択肢となるでしょう。
ノーコードプログラミングを活用する3つのメリット

ノーコードプログラミングには、従来の開発方法にはない魅力的なメリットがあります。
- プログラミングの知識が要らない
- 開発完了までの期間が短い
- 開発コストが掛からない
上記のメリットを知ることで、あなたのビジネスにノーコードをどう活かせるか、具体的なイメージがわくでしょう。
プログラミングの知識が要らない
ノーコードプログラミングの一番のメリットは、プログラミングの専門知識を必要としない点です。多くのノーコードツールは、画面上で部品をドラッグ&ドロップしたり、設定項目を選んだりするだけで操作が完了します。
そのため、プロのエンジニアを新たに雇ったり、外部の会社に開発を依頼したりする必要がありません。ITの知識に詳しくない現場の担当者でも、主体的に「こんなツールが欲しい」というアイデアを形にできます。これにより、社内のリソースだけで開発を進めやすくなるでしょう。
開発完了までの期間が短い
開発にかかる期間を大幅に短縮できる点も、ノーコードプログラミングの大きなメリットです。
一般的なシステム開発では、設計・実装・テスト・リリースなど多くの工程があり、数ヶ月かかることも珍しくありません。
しかし、ノーコードツールを使えば、工程の多くを簡素化、または自動化できます。あらかじめ用意されたテンプレートや部品を組み合わせるだけで、基本的な機能が完成するためです。
結果的に数週間から数日という短い期間で試作品を作り、すぐに試せます。変化の速いビジネスの世界で、アイデアをすばやく検証したい場合に有効です。
開発コストが掛からない
ノーコードプログラミングは、開発にかかる費用を抑えられる点も魅力です。システムを開発する場合、通常はエンジニアの人件費や外部への委託費用など、大きなコストが発生します。
しかし、ノーコードツールを使えば、プログラミング知識がなくても内製できるため、外注費の削減が可能です。
また多くのツールが、無料で始められるプランや、使った分だけ支払う段階的な料金体系を採用しています。そのため、少ないリスクで導入を始められます。
システムの保守や少しの修正も自分たちで簡単におこなえるため、長期的な運用コストの削減も期待できるでしょう。
ノーコードプログラミングを使う場合の3つのデメリット

ノーコードプログラミングは手軽で便利な一方、3つの注意点も存在します。
- プラットフォームに依存しやすい
- 独自性のある機能は実装しづらい
- 日本語でサポートしてくれる会社が少ない
上記の注意点をあらかじめ把握し、本当に利用目的に合っているかを見極めましょう。
プラットフォームに依存しやすい
ノーコードで開発したシステムは、利用しているツールのプラットフォームに大きく依存します。プラットフォームとは、ツールを提供しているサービス全体の基盤のことです。
もし、プラットフォームのサービスが停止したり、料金が大幅に値上げされたりすると、開発したシステムが使えなくなる可能性があります。または運用コストが上がるといった影響を直接受けてしまいます。
機能やデータもすべてプラットフォーム上にあるため、他のサービスへ簡単に引っ越すことが難しい場合があります。
また、サービスが終了してしまうと、最悪の場合、蓄積したデータごと使えなくなるリスクもあるため注意が必要です。
独自性のある機能は実装しづらい
ノーコードツールは、あらかじめ用意された機能や部品を組み合わせて開発するため、完全に独自性のある機能の実装は難しい傾向にあります。
プラットフォームが提供していない特殊な機能や、細かい業務ロジック、複雑な計算処理などは実現できない場合があります。
またデザイン面でも制約があり、特定の見栄えや、ユーザーが直感的に操作できる画面(UX)を細部まで追求したい場合には限界を感じるかもしれません。大量のデータを扱ったり、多くの人が同時にアクセスしたりするシステムの構築も、パフォーマンスの面で不得意な場合があります。
日本語でサポートしてくれる会社が少ない
多くの高機能なノーコードツールは海外で開発されています。そのため、公式サイトの情報やマニュアルが英語中心で、日本語に対応していないケースが少なくありません。
日本語の情報が少ないと、ツールの導入や使い方を学ぶ際に時間がかかってしまいます。また、開発中に問題が発生した際のサポート窓口も英語のみであったり、対応時間が日本のビジネスアワーと合わなかったりする場合があります。
トラブルが起きたときに迅速なサポートを受けにくい可能性があるため、特に英語に不慣れな場合は、導入のハードルになるでしょう。
ノーコードプログラミングの活用方法3選

ノーコードプログラミングは、手軽さとスピード感から、さまざまなビジネスシーンで活用されています。代表的な活用方法は次の3つです。
- 製品開発として活用する
- 社内の業務改善で活用する
- Webサイト・ECサイト制作で活用する
具体的にどのような場面で役立つのかを知ることで、自社での応用イメージがより明確になります。
製品開発として活用する
ノーコードは、新しい製品やサービスのアイデアをすばやく形にするための試作品開発に向いています。本格的な開発に入る前に、まずはノーコードで最小限の機能を持った製品を作り、実際にユーザーに使ってもらうことで、そのアイデアに需要があるかを確認できます。
この手法は、無駄な開発コストをかけずに、市場の反応を見ながら製品を改善していく上で有効です。
最初はノーコードで開発を始め、サービスが成長してより複雑な機能が必要になった段階で、一部をプログラミングで補うなどの柔軟な進め方もできます。
社内の業務改善で活用する
多くの企業では、日報の管理や経費の申請、在庫の確認など、いまだに紙やExcelでおこなっている業務が数多く存在します。ノーコードツールを使えば、日々の業務を効率化するための専用アプリを、現場の担当者自身が作成できます。
例えば、スマートフォンから簡単に入力できる報告アプリや、申請から承認までの流れを自動化するワークフローシステムなどです。
各部署でバラバラに管理されていた情報を一元化し、部署間の連携をスムーズにできます。現場の課題を一番よく知っている人が、自ら改善ツールを作れるのが大きな強みです。
Webサイト・ECサイト制作で活用する
専門知識がなくても、デザイン性の高いWebサイトやECサイトを制作できるのも、ノーコードの強みです。会社の公式ホームページや、期間限定のキャンペーンページなどを、外部の制作会社に頼ることなく、自社でスピーディーに作成し公開できます。
また、商品を販売するためのECサイトも、決済機能や顧客管理機能がセットになったノーコードツールを使えば、比較的簡単に構築可能です。
ブログのように手軽に情報を更新できるため、常に最新の情報を発信し続けたいコンテンツサイトの運営にも適しています。
自社に合うノーコードツールを選ぶ3つのポイント

自社の目的を達成するためには、たくさんの中から最適なツールを見つけ出すことが重要です。
ここでは、自社に合うノーコードツールを選ぶ際に確認すべき3つのポイントを解説します。
- 使いたい機能がそろっているか
- ほかのツールと連携できるか
- 利用料金は予算の範囲内か
ポイントを押さえて、ツール選びの失敗をなくしましょう。
使いたい機能がそろっているか
最初に、作ろうとしているシステムに必要な機能が、ノーコードツールに標準で備わっているかを確認しましょう。
例えば、顧客データを管理したいならデータベース機能、入力ミスを防ぎたいなら入力補助機能が必須です。
また、スマートフォンでも見やすいデザインや、直感的な操作ができるかなど、使いやすさ(UI/UX)も重要な評価ポイントになります。将来的に機能を追加したくなった場合に備えて、どこまで自由にカスタマイズできるか、拡張性についても調べておくと安心です。
ほかのツールと連携できるか
多くの企業では、すでに何らかの業務システムを利用しています。業務を円滑に進めるポイントは、新しく導入するノーコードツールが、既存システムとデータをやり取りできるかです。
API連携という仕組みに対応しているツールであれば、他のサービスと柔軟にデータを送受信できます。既存のExcelデータを読み込んだり、逆にノーコードツールで集計したデータを他のシステムに渡したりできるかなど、具体的な連携方法を確認しましょう。
データの分断を防ぎ、会社全体の情報活用を促進するために、連携機能は必ずチェックすべき項目です。
利用料金は予算の範囲内か
ノーコードツールの料金体系は、ツールによってさまざまです。ユーザー1人あたりで課金されるモデルや、データの量に応じて料金が変わるモデルなどがあります。自社の利用規模や将来的な成長を予測して、長期的に見てコストが予算内に収まるかのシミュレーションが大切です。
多くのツールには、無料プランや一定期間のお試し期間が用意されています。まずは無料プランを活用して、実際に使ってみるのがおすすめです。
ただし、無料プランには機能制限やデータ容量の上限が設けられている場合が多いため、本格的に利用する際の条件もしっかり確認しておきましょう。
おすすめのノーコードツール5選

ノーコードツールを検討する際、具体的にどのようなツールがあるのか気になる人も多いでしょう。ここでは、数あるツールの中から、おすすめのノーコードツールを5つ紹介します。
- kintone | API・JavaScriptにも対応
- Click | 大規模なデータの管理や処理が可能
- Wagby | 安定したパフォーマンス環境で開発可能
- サスケWorks | アプリ開発後の販売経路を用意
- AppSuite | desknet’s NEOとの高い親和性
それぞれのツールの特徴や料金を比較して、あなたの会社にぴったりのツールを見つける参考にしてください。
kintone | API・JavaScriptにも対応

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する、国内で高いシェアを誇る業務改善プラットフォームです。散在しがちなExcelファイルや紙の書類、メールでのやり取りなど情報を一元管理するアプリを、プログラミングなしで簡単に作成できます。
申し込み後すぐにアプリを作り始められ、運用しながら改善を繰り返せる柔軟性が特徴です。
また、外部サービスとの連携機能も豊富で、より高度な要件に応えたい場合は、API連携やJavaScriptを使ったカスタマイズも可能です。料金は1ユーザーあたり月額1,500円(税抜)のスタンダードコースなどがあります。
なお、以下の記事では、kintoneの評判や導入に向いている企業を紹介しています。kintoneの導入を検討している企業はぜひ参考にしてください。
関連記事:kintoneは使いにくい?評判や導入に向いている企業の特徴を解説!
Click | 大規模なデータの管理や処理が可能

Clickは、プログラミングなしでWebアプリとネイティブアプリ(iOS/Android)を同時に開発・リリースできるノーコードツールです。ユーザー認証やデータベース操作、API連携など20種類以上の豊富な機能が標準で用意されており、高いカスタマイズ性が特徴です。
また、数万人規模のユーザーが利用するサービスにも対応可能なため、将来的に事業を拡大したいと考えている場合に心強い選択肢となります。
法人向けのプランは月額19,600円から用意されており、10ユーザーまで利用可能です。
Wagby | 安定したパフォーマンス環境で開発可能

Wagbyは、株式会社ジャスミンソフトが開発する、業務システムの開発に特化したノーコードツールです。データ設計・画面設計・ビルドの3ステップで、本格的なWebアプリケーションを視覚的に開発できます。
各企業専用のサーバー環境が提供されるため、他のユーザーの影響を受けにくく、安定したパフォーマンスと高いセキュリティを確保できるのが強みです。
料金体系はユーザー数ではなく、同時に接続するセッション数による課金モデルを採用しています。利用頻度が低いユーザーが多い場合は、コストを抑えられます。開発ライセンスは月額6,600円、同時接続ライセンスは月額3,300円です。
サスケWorks | アプリ開発後の販売経路を用意

サスケWorksは、株式会社インターパークが提供するノーコードツールです。専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップの簡単な操作だけで業務アプリを作成できます。ITに詳しくない担当者でも、手軽にアプリ開発を始められるのが魅力です。
大きな特徴は、作成したアプリを「サスケストア」というプラットフォームで公開・販売できる仕組みです。
料金は、1ユーザーあたり月額1,364円(税抜)のビジネスプランなどがあります。
AppSuite | desknet’s NEOとの高い親和性

AppSuiteは、株式会社ネオジャパンが提供するノーコード業務アプリ作成ツールです。クリック操作だけで画面レイアウトを自由に設定でき、既存のExcelやCSVデータを取り込んで、簡単にアプリ化できます。
特徴は、同社が提供するグループウェア「desknet’s NEO」とシームレスに連携できる点です。AppSuiteで作成したアプリを、desknet’s NEOの一機能として組み込めるため、情報ポータルやワークフローなど、既存のグループウェア環境を強力に拡張できます。
初期費用は0円で、1ユーザーあたり月額800円(税抜)のスタンダードプランから利用可能です。
自社に合うノーコードツールの活用方法を知りたい場合はご相談ください

ノーコードツールは、専門知識がなくてもアプリやWebサイトを開発できます。開発期間の短縮やコスト削減など、多くのメリットがある一方で、プラットフォームへの依存や独自機能の実装が難しいといったデメリットもあります。
ツールを選ぶ際は、使いたい機能がそろっているか、ほかのツールと連携できるか、利用料金は予算の範囲内かの3点を確認しましょう。
kintoneやClickなど、目的に応じたツールを選ぶことで、製品開発や業務改善、Webサイト制作など幅広い場面で活用できます。
自社に合うノーコードツールの導入でお悩みの方は、ぜひ専門家にご相談ください。














