勤怠管理の改善方法をゼロから解説|紙・Excelからの脱却、規程見直し、システム選定、運用定着まで

「毎月の締めが地獄」「打刻漏れが多くて集計が合わない」「36協定が不安」――そんな悩み、ありませんか?本記事では、勤怠管理の改善方法を”順番”で分かりやすく解説します。現状の可視化から規程整備、運用フローの設計、システム化、定着・改善のサイクルまで、中小企業でも現実的に取り組める手順を具体例付きで紹介。紙やExcelからの移行ステップ、勤怠システムの選び方、教育とアラート運用のコツ、チェックリストまでまとめました。伴走ナビは事例豊富・DX内製化・kintone活用で貴社の改善を二人三脚で支援します。
目次
勤怠管理を改善する前に押さえる全体像:現状可視化→規程整備→運用設計→システム化→定着・改善のサイクル

勤怠管理は「良さそうなツールを導入する」だけでは改善しません。成功のカギは”正しい順番”と”現場に合う設計”です。まず現状の実態と課題を可視化し、就業規則・36協定・各種申請の根拠となるルールを整備。次に、申請・承認・締めの運用フローを紙でも回せるレベルで設計し、その後に初めてシステム化で自動化・省力化します。最後に教育・アラート・KPIで定着と継続改善のサイクルを回す。急がば回れで、無駄な混乱とコストを避けましょう。
現状診断のやり方(課題の棚卸しテンプレとデータの集め方)
最初に行うのは“いま何がどれだけ困っているか”の見える化です。過去2〜3か月分の勤怠データ(打刻記録、申請履歴、承認所要時間、締めの修正件数)を集め、
①打刻漏れ率
②残業申請の遅延件数
③承認の滞留時間
④締めでの手修正件数
⑤法令リスクが疑われるケース(残業上限、年休取得不足)
を指標化します。現場への短時間ヒアリングも効果的で、「どの場面で止まるか」「どの画面・紙が分かりづらいか」を具体的に拾い上げましょう。数値と現場の声をセットで見れば、優先すべき課題が自然に浮かぶはずです。伴走ナビでは棚卸しテンプレを用意し、誰でも30分で初期診断できるようにしています。
理想像の定義(自社の勤務形態に合う運用要件)
診断ができたら、次は「理想の回り方」=運用要件の言語化です。
固定時間制、シフト制、フレックス、テレワークなど勤務形態に応じ、打刻手段(PC/スマホ/IC)、申請の種類(残業・早退・休日出勤・在宅・代休)、承認経路(上長→人事→経理など)、アラート条件(残業見込み超過、未申請、未承認)、締め日・提出期限を明確にします。ここで“現場で守れる最小ルール”に絞るのがポイント。難解な規程は守られません。
「Aはこのフォームで、締め日3営業日前の15時まで」など具体の運用文言に落とし、システム未導入でも回る設計にしてからツール選定へ進みます。
改善ロードマップ(90日計画の作り方)
改善は短期で勢いを付けるのが効果的です。90日=四半期のスプリントで、
1〜4週:現状診断と要件定義
5〜8週:運用設計とテスト
9〜12週:本番展開と定着施策
という大枠を作ります。各週に完了の定義(DoD)を置き、例:棚卸し指標5種の算出、運用ルールドラフト承認、テスト運用で未申請率20%改善、など結果ベースで管理します。成功の秘訣は”段階導入”。最初から全社一斉でなく、代表部門でパイロット→改善→横展開。これにより現場の抵抗を最小化し、品質も上げられます。伴走ナビはDX内製化の考え方で、社内メンバーだけで回せる体制づくりまで支援します。
よくある勤怠の課題と原因:打刻・申請・承認・締め・法令リスクを分解して潰す

勤怠の悩みは「人が守らないから」ではなく、守れない設計になっているケースが大半です。例えば、打刻端末が限られていて列ができる、残業申請のフォームが複雑、承認者不在時の代理ルールがない、締め前のアラートが弱い、など。課題→原因→対策を切り分けることで、感情論ではなく仕組みで解決できます。ここではいますぐ試せる小さな打ち手と、中期的な構造改革の両面を提示します。
打刻ミスと申請遅延を減らす運用ルール
「忘れる前にできる」環境づくりが王道です。モバイル打刻を許可し、出社・退社時にスマホ通知でリマインド。昼休憩や中抜けはワンタップのショートカットで登録できるようにし、紙や複雑フォームを排除します。申請は締め日の3営業日前15時までなど具体的な期限を全社統一し、未申請者には自動催促。現場には“打刻ができない状況の想定問答”(機器故障・外出直行・システム障害)を配布し、事後訂正の標準手順を整えます。
さらに、週次で打刻漏れ率・申請遅延率を共有し、チームで達成を称える仕掛けを作ると前向きに回ります。人は変わらない前提で、忘れにくい・迷いにくい・手戻りしにくい運用へ寄せましょう。
承認の滞留を防ぐフロー設計と権限整理
承認の遅れは締めに直撃します。対策は「代理承認」「権限の粒度」「SLA」の3点セット。
上長が出張・休暇でも止まらないよう代理承認者を必ず設定。権限は部門長一括承認よりも、金額/時間閾値で段階承認にすると軽快です(例:残業1時間未満は上長のみ、2時間超は部門長も)。承認SLA(例:申請から24時間以内)を掲げ、超過した申請は自動で上位者にエスカレーション。承認一覧のUIは未処理が先頭に溜まるようにし、メールではなくチャット通知で行動に直結させます。毎月の承認リードタイム中央値をKPIにし、ボトルネック部門への伴走支援を入れると、締め前の駆け込みを大幅に減らせます。
36協定・割増賃金・有給管理でつまずかない基本
法令まわりは“自動アラート+人の確認”の二層防御にしましょう。
36協定の上限時間に対しては見込み残業を含めた予兆アラートを運用し、上限に近づいたら申請前に差し戻す運用を徹底します。割増賃金は所定外・法定外・深夜・休日の区分を曖昧にしないこと。就業規則と運用マニュアルに具体例を記載し、給与連携時の計算根拠を残せる証跡設計を行います。
有給は年5日の取得義務を軸に、未取得者を月次で抽出して上長にフォローアラート。ここをシステム化すると“気づいたら違反”を未然に防止できます。最終的には監査に耐えるログ(打刻変更履歴、承認履歴、差戻し理由)を残す仕組みが肝心です。
紙・Excelからの卒業:小さく始めて確実に回す移行ステップ

「いきなりフル機能で本番」は事故の元。
記録→申請→承認→自動集計→給与連携と段階を踏めば、現場の負担を抑えつつ成果を積み上げられます。まずは”記録の正確性”に一点集中し、次に申請と承認をワークフロー化。その後、自動集計で締めの手修正を削減し、最後に給与ソフト連携で二重入力を解消します。各段階で成功判定の指標(例:打刻漏れ率1桁%、未承認申請ゼロ日を2週連続達成)を明確にし、小さな成功を社内で共有して横展開しましょう。
移行前チェックリスト(マスタ整備・規程整合・現場ヒアリング)
移行での失敗は“前提情報のズレ”が原因です。
まず従業員マスタ(雇用区分、所定労働時間、休日、所属)を最新化し、シフトパターン・カレンダーを定義。就業規則・36協定とシステムの設定項目を突き合わせ、乖離を洗い出します。現場ヒアリングでは、打刻環境(端末/電波/現場動線)、申請の実情(どの申請が多いか/タイミング)、承認の詰まり所を把握。“紙での暫定運用ルール”を先に整えてからシステム設定へ。
導入ガイド・FAQ・1分動画の素材も事前準備し、最初の1週間はサポート窓口を即応にして不安をつぶします。これで初日から「できる」状態を作れます。
移行スケジュール例(テスト運用〜本番切替)
スケジュールは4段階が安全です。
①設定&サンプル検証(2週):10名程度のテストデータで打刻→申請→承認→集計の一連を通し、エッジケース(深夜跨ぎ、休日振替、出張直行)を検証。
②パイロット運用(2〜4週):代表部門で本番同等に運用し、未申請率・承認リードタイムを計測。
③是正&教育(1〜2週):設定・マニュアルを修正し、全社向け説明会と動画配布。
④全社本番(1か月):締め前の週次アラートと即応サポートで定着を支援。切替日は締め日の翌営業日に設定し、締め直前の仕様変更は避けるのが鉄則です。
“いつ何をもって成功とするか”を前もって合意しましょう。
トラブル事例と回避策(締め直前の不具合・現場反発など)
よくあるのは締め直前の不具合と現場の”前の方が楽だった”反発。
前者はテスト不足が原因なので、エッジケースの事前検証とロールバック手順(旧運用へ一時戻す)を準備。後者には、手間が減る実利(自動アラート・ワンタップ申請・給与連携での入力削減)を数字で示すことが効きます。初期は“免責期間”を設け、軽微なミスは教育で対応。“罰ではなく仕組みで防ぐ”姿勢を崩さないこと。
さらに、チャンピオンユーザー(早く馴染んだ現場リーダー)に横展開の内製支援を担ってもらうと、心理的抵抗が激減します。小さな成功体験の共有が最大のモチベーションです。
勤怠システムの選び方:必須機能・料金・連携・サポートの見極め方

勤怠システムは「機能が多い=最適」ではありません。自社の要件に対して”過不足なく”が正解です。
必須は多様な打刻手段、柔軟な申請ワークフロー、強力なアラート、証跡管理、締め・集計の自動化。料金は月額の1人単価だけでなく、初期設定・教育・運用工数を含む総保有コストで比較します。さらに、給与・人事DB・チャット・BIとの連携容易性と、ベンダーのサポート品質(応答速度・ヘルプの質)も重要。ベンダー資料の”実装予定”に期待しすぎず、今日使える機能で判断しましょう。
必須機能の見極め(打刻手段、申請ワークフロー、アラート)
打刻は多様性が命。PC・スマホ・ICカード・生体など現場の動線に合った選択肢を用意し、オフライン時の後追い登録と変更履歴を担保。申請は種類の追加・項目の編集・条件分岐がノーコードでできると運用が楽です。アラートは”予防”中心に設計を。未打刻や残業上限接近、年休未取得、承認滞留などを自動で検知し、関係者へチャット通知。監査に耐える証跡(誰がいつ何を変更したか)が丸ごと残ることも必須。カレンダーやシフト管理が一体化していると、二重管理のムダを削れます。
実機デモで”自社の1日”を再現し、迷わず操作できるかを確かめましょう。
料金と総保有コスト(初期費用、1人単価、運用コスト)
料金比較では見かけの単価に惑わされないのがコツ。初期費用の有無、導入支援の範囲、教育コンテンツの充実、日々の運用工数(設定変更の難易度/サポートへの問い合わせ頻度)まで含めて試算します。例えば、単価が少し高くても集計自動化で締め工数を月10時間削減できれば、人件費換算でペイします。逆に安価でも設定が複雑で毎月の手修正が多いと、トータルでは高くつくことも。3年スパンの総保有コストと、段階導入時の追加費用(ユーザー増、モジュール追加)をベンダーに確認しましょう。“やりたいこと”を実現する最小構成から始めるのが賢い選択です。
他システム連携(給与・人事・チャット・BI)と将来拡張
連携は“手作業の消滅”が目的です。給与とは勤怠締めデータをワンクリック連携できるか、人事DBとは組織変更や雇用区分の自動同期が可能かをチェック。チャット連携でアラート・承認・FAQ呼び出しができると、現場の操作がぐっと軽くなります。BI連携では打刻漏れ率・承認リードタイム・残業見込みなどKPIをダッシュボード表示し、月例会議で即意思決定。将来拡張として、シフト自動作成、工数管理、プロジェクト別原価などの拡張余地があると、成長に合わせた内製化が進められます。“いまの課題”と”来年の野望”の両方にフィットする連携設計を意識しましょう。
現場に定着させるコツ:教育・ルール・仕組み化の三位一体で回す

良い仕組みも、使われなければゼロ。定着の要は、
①誰でも迷わない教育
②迷っても壊れないルール
③忘れても助けてくれる仕組み
の三位一体です。1分動画・配布資料・FAQで入口を下げ、SLAと例外時の台本でブレを減らし、締め日前アラートと自動催促で”忘れ”を救います。さらにKPIで成果を見える化して、チームで良い行動を称える。人は基本変わらない前提なので、人に頼らず、仕組みで支える設計が肝心です。
周知と教育の台本(1分動画・配布資料・FAQ)
教育は“短く・手元で・何度でも”が鉄則。
最初に1分動画で「今日から何が変わるか」「どこを押せば良いか」をデモ。併せてA4一枚のクイックリファレンス(打刻・各申請・よくある失敗と対処)を配布し、チャットにFAQショートカットを置きます。説明会は録画とスライドを即共有し、新入社員用のオンボーディングセットにも組み込みます。“導入の背景と得られるメリット”を数字で示すと納得感が上がります(締め工数▲50%、未申請率1桁%など)。
ヘルプを”探しに行かせない”工夫、つまり通知・ピン留め・検索を整えると、定着スピードが段違いに上がります。
締め日前アラートと未申請の自動催促
ヒューマンエラーは必ず起きる前提で、“忘れる前に促す”アラートを設計します。
例:毎日17時に未打刻者へ個別通知、毎週金曜に未承認申請の一覧を承認者へ、締めの5・3・1営業日前に未提出者へ自動催促。
通知はメールより日常使いのチャットが行動に直結します。スヌーズ(後で再通知)や代理承認と組み合わせ、止まらない仕組みを作りましょう。アラートの過多は逆効果なので、最初は重要度の高い3〜5件に絞り、反応率を見ながら調整。運用メトリクス(通知→行動までの所要時間)を追うと、“効く通知”だけが残り、現場のストレスも減ります。
改善のKPI設計(打刻漏れ率、承認リードタイム、締め工数)
KPIは“現場が動けば改善する数値”に限るのがコツ。
おすすめは打刻漏れ率、申請遅延率、承認リードタイム中央値、締め工数、法令アラート件数、年休取得率。月次で各部門のダッシュボードを共有し、良い数字は称賛、悪い数字は原因と対策を合意します。“数値→行動→仕組み改善”の順で議論すれば、責任追及になりません。四半期ごとに目標値を0.7〜0.8掛けで引き下げ、小さく達成→次へのスパイラルを回します。改善の裏側にある運用ルール・システム設定の変更履歴を残し、再現可能な知見として社内ナレッジ化すると、異動や拡大にも強くなります。
中小企業の実践例:少人数でも効く現実解と、伴走ナビの支援メニュー

「人も時間もない…」という中小企業こそ、段階導入と内製化が効きます。ここでは実在のシナリオに近い形で、シフト複雑な製造業、モバイル中心のサービス業の2例を紹介し、最後に伴走ナビの支援メニューをまとめます。各例で、課題→打ち手→成果→学びの順に整理。“小さく始めて確実に回す”視点を押さえることで、社内の反発や導入コストを抑えつつ、最短距離で成果に到達できます。
製造業A社:シフト複雑でも残業管理を安定化
製造業A社(従業員80名)は、ラインごとに始業・終業がずれる複雑シフトで、残業申請の事後化と締めの手修正が常態化していました。
初手は打刻の精度向上から。工場入口にIC打刻を増設し、直行直帰はスマホ打刻+位置情報の許可制を導入。次に、残業は”見込み申請→当日確定”の二段階に変更し、36協定の見込み超過アラートを上長・人事へチャット連携。承認滞留対策として代理承認者を必ず設定し、承認SLA24時間を明文化。結果、締めの手修正は70%減、承認リードタイム中央値は48時間→16時間へ短縮。学びは、現場動線に合う打刻手段と、予兆に効くアラート設計が鍵ということ。最初から給与連携まで欲張らず、記録→申請→承認の順で確実に固めるのが成功の近道でした。
サービスB社:モバイル打刻で申請遅延を半減
多拠点サービスB社(従業員50名)は、店舗ごとに紙申請が残り、未申請・未承認が月末に雪崩のように押し寄せていました。
対策は“忘れる前にできる”体験の設計。
従業員にはスマホ打刻アプリ、店長・スーパーバイザーにはチャットで承認できる簡易承認UIを配布。毎日17時の未打刻通知、金曜の未承認リスト通知、締め5・3・1営業日前の自動催促を設定しました。運用初月で申請遅延率は42%→19%、3か月後には12%まで低下。教育は1分動画×3本とA4のクイックリファレンスで最小限に。“操作を探させない導線(ホーム画面1タップで申請)”が定着を後押ししました。重要なのは、アラートの数を絞り”効く通知だけ”を残す運用です。通知疲れを避けるため、反応率の低い通知は廃止し、KPIで継続的に調整しました。
伴走ナビの支援(DX内製化・kintone活用・事例豊富な伴走)
伴走ナビは、“丸投げではなく内製化”をゴールに置くのが特徴です。
要件定義から運用設計、システム設定、教育素材(1分動画・FAQ・スライド)の内製テンプレまでセットで提供し、社内の改善チームが自走できる状態を目指します。kintone活用では、標準の勤怠システムで拾い切れない特殊申請や現場メモをノーコード拡張し、打刻・申請・承認・ダッシュボードを横断連携。事例が豊富なので、“似た業態の成功パターン”を流用でき、初期から再現性の高い設計が可能です。導入後は四半期ごとのKPIレビューで定着と継続改善を伴走。“人が変わらなくても回る仕組み”を一緒につくります。
よくある質問(FAQ):法令・シフト・テレワーク・フレックスの疑問を一気に解消

よく寄せられる質問を法令・働き方・監査/証跡の3テーマで整理します。“最短距離で結論→理由→実務のコツ”の順に回答し、迷ったら法令と規程、そして運用の三点セットで考えるのがコツです。大事なポイントは太字で示します。
法令と勤怠の基本(36協定、有給、残業上限)
36協定の時間外上限は、見込み残業を含めてモニタリングし、接近時に申請前差戻しができる運用にします。有給は年5日取得義務を基準に、未取得者リストを毎月抽出→上長へフォロー通知。
割増賃金は所定外/法定外/深夜/休日の区分を明確化し、就業規則と運用マニュアルに具体例を掲載。重要ポイントは”自動化と記録”。アラートの条件・承認履歴・打刻変更履歴を消せないログで残し、給与連携時の計算根拠が追える状態を作ります。これにより、“気づいたら違反”を未然に防止し、監査・労基対応にも強くなります。
多様な働き方への対応(シフト/テレワーク/フレックス)
シフト制ではシフト作成→配布→変更申請→確定のループを標準化し、確定後の残業は見込み申請→当日確定へ。テレワークでは位置情報付きのモバイル打刻や在宅申請の簡略化、通信障害時の事後申請台本を整備。フレックスはコアタイム・清算期間・みなし時間を明文化し、不足・超過のアラートを設計します。重要ポイントは”例外時の扱い”。直行直帰・深夜跨ぎ・休日振替などをFAQと申請フォームの分岐で迷わず処理できるように。チャットから申請を呼び出せるショートカットや承認者の代理設定で、止まらない流れを実現しましょう。
監査・証跡・セキュリティはどう担保する?
打刻変更履歴・申請/承認履歴・差戻し理由・通知ログを一元保管し、検索・出力が即できる状態を整えます。アクセスは最小権限で、管理者操作も監査ログに記録。データのバックアップと退職者データの保管ポリシーも明文化しましょう。
重要ポイントは”定期点検”。四半期に一度のKPIレビューと合わせて、権限棚卸し・ログのサンプル監査を実施。kintone等のプラットフォームを活用すれば、勤怠システムにない補助ログも連携し、監査対応時間の短縮につながります。“証跡があるから自信を持てる”状態を作れば、現場の心理的安全性も高まります。
まとめ | 明日から”人に頼らず仕組みで回る”勤怠へ
勤怠改善の成功は、正しい順番(現状可視化→規程整備→運用設計→システム化→定着・改善)を守り、段階導入で小さな成功を積み、KPIで効果を見える化することに尽きます。大切なのは”人が変わらなくても回る仕組み”を作ること。打刻精度の向上、申請の簡略化、承認SLAと代理承認、予防アラート、ダッシュボード――この基本セットを丁寧に積み上げれば、締めの手修正は減り、法令リスクは下がり、現場の不満も和らぎます。
次の一歩として、以下の3点から始めましょう。
①現状指標の算出(打刻漏れ率・申請遅延率・承認リードタイム・締め工数)
②申請期限と承認SLAの明文化
③締め前アラートの設定
もし自社に最適な順番や設計に不安があれば、事例豊富・DX内製化・kintone活用の伴走ナビにご相談ください。90日で”回る勤怠”の土台を、貴社メンバーと一緒に作ります。資料(チェックリスト・雛形・スライド素案)もご用意しています。今が、改善の始め時です。