【kintoneと連携する方法】APIを利用した開発連携
kintoneはプログラミング知識がなくても自社に必要なアプリを作成でき、あらゆる業務を効率化できる魅力的なクラウドサービスです。
しかし近年の働き手不足によって、さらに業務効率化を図りたいと考えている企業は多いのではないでしょうか。
kintoneはそれ自体で業務効率化を図れるサービスですが、API連携によって外部サービスと連携させるとより効率化できる業務の幅が広がります。
そこで今回はkintoneをAPI連携させる方法や、連携できるサービスなどを紹介します。最後まで読んでいただき、少ないリソースで今以上の生産性をあげられる環境を整えましょう。
目次
API連携とは
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インタフェース(Application Programming Interface)」の略で、アプリケーション同士を連携するうえでの接点となるもののことを指しています。
APIを使うことによって、外部のアプリやシステムとデータを連携させて機能の拡張を図ることを意味しています。
その結果、今まで別の役割を担っていたツール同士をつないで、従来よりもよりスムーズにフローの構築が可能となるのです。
kintoneAPI連携のメリット
kintoneと外部サービスを連携することによって1つの作業に対して複数のソフトを利用できるようになるので、データを再入力する必要などがなくなり、事務作業を減らすことができます。
また、データを一括管理することができ、転記する手間が省けて人的ミスを減らす効果も期待できます。実務作業でかかっていた時間と手間の短縮につながり、データの精度が上がるので、効率よく仕事が進められるのです。
kintoneとAPI連携できるアプリとは
kintoneと連携できるツールの種類は多岐に渡りますが、主にGoogleカレンダーやGmailなど日常で利用頻度の多いサービスと連携させると、効果を感じやすいでしょう。
またチャットツールとの連携もできるので、メールよりもチャットを好む企業ではLINE WORKS(ラインワークス)やSlack(スラック)との連携を行い、よりスムーズにコミュニケーションをとることに役立てています。通知知能も搭載されているので、連絡への対応漏れの防止にも繋がります。
その他にも多数の外部サービスとの連携が可能です。日常業務での利用頻度が高いものの一例を以下にあげます。
【kintoneとAPI連携できる外部サービスの一例】
サービス名 | 対応業務 |
勤怠管理システムkincone | 打刻(打刻アプリあり)・勤怠管理 |
ネクスタ・メイシ | 名刺データで顧客管理 |
freee for kintone | 営業管理から会計までの効率化 |
FormBridge(フォームブリッジ) | Webフォームを作成しkintoneと連携 |
HubSpot | MAツール、SFA、CRM |
勤怠管理kincone(キンコン)
勤怠管理は打刻により労働時間の管理を行い、残業や休暇も管理する必要があります。正社員・フレックス勤怠・パートなど様々な勤務形態を種類別に登録し、労働管理をして行うべき項目を詳細に管理しつつ、労働時間による給与計算はkintoneに連携して行うと言った流れを作れます。打刻アプリが簡単なことが得領でGPSによる位置情報取得ができるため、管理側も安心して利用できます。
ネクスタ・メイシ
ネクスタ・メイシの名刺データをボタン一つでkintoneへ一括登録できます。その後に営業がネクスタ・メイシに登録済のクライアントへのコンタクトを登録、その情報もkintoneに連携し、kintone側では名刺を取得しその後にどのようなコンタクトをしたかを見みることができます。
freee for kintone
freeeとkintoneを連携させることで顧客情報や案件などの営業データを一元管理でき、業務フローの効率化が図れます。通常であれば仕訳の入力や入金確認の伝達など、一連の対応コストが発生しますが、kintoneとfreeeを連携すると見積・請求書に情報が自動で反映されます。部署間のやり取りも減るので、効率化が進むと言えるでしょう。
FormBridge(フォームブリッジ)
Web入力フォームを簡単に作成し、フォームURLから入力情報をkintoneに直接取り込めます。HP上のお問い合わせフォームや、QRコードを生成してアンケートフォームとして利用することも可能です。
HubSpot
MAツールとしてだけではなく、SFA・CRMツールとしての機能が多彩です。kintoneではどうしても多角分析が難しくなる部分を専門のHubSpotを利用し、契約後の管理や経理などのバックオフィス業務をkintoneで行うような連携をすることが可能です。
kintoneのAPI連携(APIトークンの発行)
APIを使用した連携では、ファイルの一部を外部に公開することで情報の出入口を作り、ソフトウェア同士をつないで外部アプリと連携できるようにする方法です。そのためkintoneからだけでなく、連携先のサービスからkintoneデータを登録・更新・削除することも可能になります
こちらの方法での連携はcybozu.com共通管理者、kintoneシステム管理者またはアプリ管理者のみが行うことができます。
kintoneでAPI連携を行う方法は大きく分けて2通りあり、自分たちでカスタマイズする方法と外部連携サービスを使う方法があります。
1.kintoneのアプリ画面右上の設定ボタンまたは設定ボタン横のv字ボタンをクリックします。【カスタマイズ/サービス連携】の中にある【APIトークン】を選択してください。
出典:https://kintone.cybozu.co.jp/support/arukikata/pages/03-08.html
2.次に画面左上にある【生成する】をクリックします。
出典:https://kintone.cybozu.co.jp/support/arukikata/pages/03-08.html
すぐにAPIトークンが生成されます。生成できるトークンはアプリ1つにつき20個までです。
3.作成されたAPIトークンのアクセス権を設定します。
- レコード権
- レコード追加
- レコード編集
- レコード削除
- アプリ管理
上記5項目の中から許可する操作のチェックボックスを選択してください。アプリの設定に関わらず、APIトークンに設定されたアクセス権が優先されます。
出典:https://kintone.cybozu.co.jp/support/arukikata/pages/03-08.html
4.画面右下の【保存】ボタンを選択します。その後保存した設定を運用環境に反映するには、画面右上の【アプリの更新】をクリックしてください。
出典:https://kintone.cybozu.co.jp/support/arukikata/pages/03-08.html
kintoneのAPI連携の難易度
外部連携サービスを使う場合には、アプリ内で完結できるので難易度はさほど高くないと言えそうです。ただし、外部アプリではなく自身で拡張機能を製作する場合にはプログラミングの知識が必要になるため、難易度がぐっと上がります。
kintoneAPI連携の費用
API連携を行うにはkintoneスタンダードコースに登録する必要があるため、契約費用が1ユーザーあたり月1,500円(税抜き)がかかります。
また、外部連携サービスを使う場合にはその費用が、自分たちでカスタマイズする場合にはその開発費用がかかるものです。
さらに、API連携は外部からのアクセスを可能にする連携方法であるため、ハッキングなど恐れがあります。セキュリティの強化が必要であれば、追加で費用が発生するでしょう。
kintoneAPI連携の不具合や保守
1日に1万件までのAPIリクエスト数にしか対応していないため、万が一超えた場合に警告が表示されます。しかしcybozuに容量の増加を依頼することが可能です。また、kintone導入からAPIトークンの設定までの委託を行っている外部サービスもあります。
よくあるトラブルとして「kintoneアプリのAPIトークンに誤りがあります。閲覧権限が付与されているかkintone上でAPIトークンの設定を確認して下さい。設定が正しい場合はkintone上のアプリの設定にある「アプリを更新」を選択し、APIトークンの設定を反映させて下さい。」というエラー表示が報告されています。この表示が出た場合、APIトークンのアクセス権限の設定、アプリの連携設定、またはkintone接続設定に間違いがないか確認してください。APIトークンに対して閲覧権限がない場合や、IPアドレスをcybozu.com側で許可する場合に、プリントクリエイターのIPアドレス「54.65.228.178」「13.113.164.23」を両方とも許可していない場合には、上記エラーとなってしまいます。
kintoneAPI連携の注意点
外部連携サービスを利用する場合、今まで自分たちで機能を開発していた作業をする必要がなくなるため、該当部分に関する知識やスキルが貯まりにくくなります。そのため万が一、連携している外部サービスの提供が突然終了してしまった場合に対処できないという事態が発生する恐れがあるのです。
また、1日に1万件のAPIリクエスト数に対応していないことや、ハッキングされる恐れがあるところも導入前に理解しておかなくてはいけません。
まとめ
kintoneはプログラミング知識なしでアプリを開発できるサービスですが、API連携を行うことでより業務効率化の助けとなります。
自社の既存の業務フローにやりづらさを感じている場合には、ぜひAPI連携を検討してみることをおすすめします。
もし「一人だとやっぱり導入が難しそう」「やってみて他に分からないことがある」という時には、是非、伴走ナビ管理人までお気軽に質問してくださいね!
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