ノーコードのアプリ開発とは?メリットからツール選定ポイントまで徹底解説!

自社業務の効率化を模索する中で、以下のお悩みはありませんか?
「自社の業務に合ったアプリを低コストで作りたい」
「ノーコードツールの種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない」
ノーコードアプリ開発は、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で業務アプリを作成できる手法です。
さまざまなメリットが存在する一方で、ツールを選ぶ際のポイントを抑えておかなければ、開発がうまくいかずコストを無駄にしてしまう可能性があります。
本記事では、ノーコード開発の基本や具体的なメリット、開発を進める手順を詳しく解説します。ツール選びのポイントも紹介するので、最後までご覧ください。
なお、ノーコードツールの導入コンサルティングを活用したい方は、「伴走ナビ」にご相談ください。業務効率化のプロが徹底的に伴走支援し、貴社の業務を5倍楽にします。
目次
ノーコードのアプリ開発とは?従来の開発手法との違い

ノーコードのアプリ開発とは、プログラミングコードを書かずに、アプリケーションを開発する手法です。
画面上の部品をドラッグ&ドロップで配置し、視覚的な操作で開発を進められるため、専門的な知識がない非エンジニアでもアプリを内製できます。
ノーコード開発と似た手法である「ローコード開発」は、少量のコード記述を組み合わせることで、ノーコードよりも複雑な要件や独自の機能に対応できる柔軟性を持っています。
また、ゼロからすべてを設計する「スクラッチ開発」は自由度が高い反面、開発期間が長く費用も高額になるのが一般的です。
各開発手法にそれぞれ特徴があるため、制作したいアプリの要件に応じて、手法を使い分けるのが合理的でしょう。
ノーコードのアプリ開発の5つのメリット

ノーコードのアプリ開発の5つのメリットは、以下のとおりです。
- 開発期間を大幅に短縮できる
- 開発コストを削減できる
- IT人材不足でも内製化できる
- 柔軟に修正・改善ができる
- 外部サービスと簡単に連携できる
上記のメリットは、ビジネスのスピードを加速させ、企業の競争力を高める上で大きな助けとなります。
開発期間を大幅に短縮できる
ノーコード開発は、開発期間を大幅に縮めることが可能です。ドラッグ&ドロップの直感的な操作で画面を構成し、データと接続すればすぐに動作確認できます。
そのため、最小限の機能を持つ試作品を短期間で立ち上げ、ユーザーからのフィードバックを得ながら素早く改善を繰り返すアプローチが可能です。
また、チーム内でのレビューも短時間で回せるため、意思決定から修正までの時間を短縮できます。
開発コストを削減できる
開発にかかるコストを抑えられる点も、ノーコードアプリ開発の魅力です。
多くのノーコードツールは、ライセンス数や実行回数に応じた課金体系を採用しているため、小規模から始めることで初期費用を抑制できます。
従来外部に委託していた開発や保守運用を内製化すれば、長期的にかかる費用を圧縮可能です。
また、ノーコードアプリ開発は、費用対効果を具体的な数値で可視化しやすく、追加投資の判断も的確に行えます。
IT人材不足でも内製化できる

ノーコードアプリ開発であれば、専門的なIT人材が不足している企業でも、アプリの内製化を実現できます。
ノーコードツールは、公式のドキュメントや学習コンテンツが充実しているものが多く、非エンジニアでも短期間で操作を習得可能です。
業務内容を熟知している現場の担当者が、自ら画面やデータの設計を行えるため、実務に即した使いやすいアプリを迅速に提供できます。
業務の実態に即したアプリを開発できると、外部のITベンダーに頼ることなく、自社の力で業務改善を進められるでしょう。
柔軟に修正・改善ができる
ノーコードアプリ開発は、ビジネス環境の変化に合わせた、迅速な修正や改善が可能です。
アプリを公開した後も、設定変更や権限の見直しなどを画面上から簡単に行えるため、ユーザーの要望や業務内容の変更に素早く対応できます。
あらかじめ変更時のルールやレビュー体制を整えておくと、アプリの品質を保ちながら継続的な改修が可能です。
まずは小規模な機能からリリースし、効果を検証しながら段階的に機能を拡張していくと、リスクを抑えながらアプリをブラッシュアップできます。
外部サービスと簡単に連携できる
多くのノーコードツールは、外部のサービスと簡単に連携する機能を持っています。
たとえば、Power AppsのコネクタやAppSheetのデータソース設定を使えば、主要なSaaSとプログラミングなしで接続可能です。
また、ZapierやMakeなどのiPaaSを併用すれば、通知やデータ同期など処理の自動化範囲を広げられます。
自動化範囲が広がれば、既存のシステム資産を有効活用しながら、運用保守の負荷を抑えられるはずです。
ノーコードツールでアプリ開発を進める手順【5STEP】

ノーコードツールでアプリ開発を進める手順は、以下のとおりです。
- 目的と要件の明確化
- 最適なノーコードツールの選定
- プロトタイプの作成とテスト
- 本格開発と機能拡張
- 運用・改善体制の構築
上記のステップを順に進めると、手戻りを防ぎながら円滑な開発が実現できるでしょう。
1.目的と要件の明確化
まず、何のためにアプリを開発するのかを明確にします。
目的を設定する際は、現場担当者にヒアリングを行い、解決したい課題と成果を測るための指標(KPI)に関して合意しておくことが重要です。
また、アプリで扱うデータ項目や権限、操作履歴を記録する監査ログの要件などを洗い出し、設計の漏れを防ぎます。
データの保管場所や更新頻度を把握しておくと、後の工程で連携方式を選ぶ際に役立つでしょう。
2.最適なノーコードツールの選定
次に、明確化した要件を満たせるノーコードツールを選びます。
将来的な機能拡張を見据え、SharePointやGoogle Sheets、SQLデータベースなど、データソースへの接続の可否や制限事項を確認しておきましょう。
また、企業のセキュリティポリシーを満たすために、シングルサインオン(SSO)や監査ログ、バックアップなどの有無で比較検討するのも大切です。
日本語のサポート体制や学習コンテンツが充実しているかどうかも、導入後の立ち上げ速度に影響します。
3.プロトタイプの作成とテスト

ツールを選定したら、試作品(プロトタイプ)を作成します。
テンプレート機能やExcelファイルのインポート機能などを活用して素早く試作し、現場担当者に操作性や入力のしやすさを検証してもらいましょう。
修正工数を少なくするためには、検証段階で認識のズレを早期に解消するのが大切です。
また、エラーが発生した場合や通信が途切れた場合など、例外的なケースを事前にテストしておくと、本番運用開始後のトラブルを未然に防げます。
4.本格開発と機能拡張
プロトタイプのテストで得られたフィードバックを基に、本格的な開発を進めます。
連携ツールを活用し、CRMや決済サービス、分析ツールなどと連携させると、通知や例外処理を含む業務全体の自動化範囲を拡大できます。
もし、App StoreやGoogle Playでの一般公開を予定している場合は、各ストアの審査要件を早めに確認し、手戻りが発生しないように準備を進めましょう。
5.運用・改善体制の構築
アプリをリリースしたら、安定して運用し継続的に改善していくための体制を構築します。
変更管理フローや役割に応じた権限設定、監査ログの運用ルールを整備すると、変更内容の透明性と再現性を確保できます。
また、安定運用を実現するためには、操作マニュアルの作成や定期的なバックアップ、復旧手順の標準化を実施して、業務の属人化を防がなければなりません。
ノーコードツールを選ぶときの4つのポイント

ノーコードツールを選ぶときの4つのポイントは、以下のとおりです。
- 必要機能とUIの対応範囲
- セキュリティとコンプライアンス対応
- スケーラビリティとコストバランス
- サポート体制と学習リソース
数多く存在するノーコードツールの中から、自社に最適なものを選ぶためには、いくつかの重要な視点があります。
各ポイントを総合的に評価し、長期的な視点でツールを選定しましょう。
必要機能とUIの対応範囲
まず、開発したいアプリの要件をどれだけ満たせるかを確認します。
接続したいデータソースへの対応状況や、役割に応じた細かい権限設定、操作履歴を残す監査ログなど、必須機能の有無を判断しましょう。
また、入力フォームの使いやすさや、データの検索・一覧表示の柔軟性など、実際に利用するユーザーの使い勝手も重要です。
現場の作業時間を短縮できる高い表現力を持つツールを選ぶことが望ましいでしょう。
セキュリティとコンプライアンス対応
業務効率化ツールを導入する際は、安全性と法令遵守が何より大切です。まず、不正アクセスや情報漏えいを防ぐため、ログイン認証の仕組み(SSO)が整っているか、誰がいつ何をしたか記録が残るか、データが暗号化されて保護されているかを確認しましょう。
次に、ツールを提供する会社が信頼できるかも重要なポイントです。情報セキュリティの国際基準(ISMS等)を取得しているか、セキュリティ体制がきちんと公開されているかをチェックします。さらに、データがどこに保存されるのか、万が一の際のバックアップ体制はどうなっているかを確認し、法律や自社のルールに合っているかを見極めましょう。
上記をしっかり確認することで、安心して使えるツールを選定できます。
スケーラビリティとコストバランス
将来的な利用拡大を見据え、ツールの拡張性と費用のバランスを検討します。
ユーザー数やアプリの実行回数、データ保存量など、何が費用の増減に影響するのかを把握し、将来の利用規模からコストを試算しておきましょう。
同時接続数の上限や処理できるデータ行数の上限なども確認し、性能の劣化による業務停止のリスクを回避する必要があります。
サポート体制と学習リソース
ツール導入後の立ち上がりをスムーズにするためには、サポート体制と学習リソースの充実度がポイントとなります。
日本語のヘルプデスクや、ユーザー同士で情報交換ができるコミュニティ、公式のトレーニングプログラムが用意されているかを確認しましょう。
不明点を迅速に解決できる環境は、内製化を進める上で大きな助けとなります。
また、導入支援や伴走支援などベンダーによる有償サポートの有無も、社内リソースが限られている場合には重要な判断基準です。
アプリ開発におすすめのノーコードツール3選

アプリ開発におすすめのノーコードツールを3つ紹介します。
- kintone(キントーン)|国産アプリプラットフォーム
- Power Apps(パワーアップス)|Microsoftエンタープライズ向け
- AppSheet(アップシート)|Google業務アプリ作成ツール
各ツールの特徴を理解し、自社の目的や環境に合ったものを選びましょう。
kintone(キントーン)|国産アプリプラットフォーム

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する日本製のノーコードツールです。
ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、日報や案件管理、タスク管理など、さまざまな業務アプリを作成できます。
また、ExcelやCSVファイルを取り込んで、短時間でアプリ化できる手軽さも魅力です。
kintoneは、SAML認証によるシングルサインオンや、柔軟な権限設定にも対応しており、企業のガバナンスを確保しながら運用できます。
日本語のドキュメントやコミュニティも充実しているため、初めての方でも安心して利用を開始できるでしょう。
Power Apps(パワーアップス)|Microsoftエンタープライズ向け

Power Appsは、Microsoftが提供するノーコード開発プラットフォームです。
SharePointやSQL Server、Dataverseなど多様なデータソースに接続する「コネクタ」が豊富に用意されており、社内外のシステムと柔軟に連携できます。
同じMicrosoft製品であるPower Automateと組み合わせると、申請・承認のワークフローやRPA(ロボットによる業務自動化)まで、自動化の範囲を大きく広げられます。
また、詳細なセキュリティや設計に関するガイドが公開されており、企業の要件に沿った開発を進めるための指針を得やすいのも特徴です。
AppSheet(アップシート)|Google業務アプリ作成ツール

AppSheetは、Googleが提供する業務アプリ作成ツールです。
GoogleスプレッドシートやCloud SQLなど、既存のデータソースから自動でアプリの雛形を生成するため、モバイル対応のアプリを迅速に開発・公開できます。
データの安全なフローやアクセス制御、監査に関する情報が公開されており、セキュリティを考慮した設計を進めやすい点も魅力です。
また、自然言語で「もし~ならば、~する」などのルールを作成できる機能もあり、現場の担当者が主体となって継続的な業務改善を進められます。
ノーコードツールを導入する際は「伴走ナビ」にご相談ください

ノーコードアプリ開発は、プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作で業務実態に即したアプリを作成できる手法です。
開発期間の短縮やコスト削減、IT人材不足への対応など、多くのメリットがあり、企業の業務効率化を加速させます。
ノーコードアプリ開発を成功させるには、目的と要件の明確化から始め、自社に最適なツールを選定し、段階的に開発を進めることが重要です。
また、ツール選定では、必要機能やセキュリティ対応、サポート体制などを総合的に評価しなければなりません。
なお、ノーコードツールの導入コンサルティングを活用したい方は、「伴走ナビ」にご相談ください。業務効率化のプロが徹底的に伴走支援し、貴社の業務を5倍楽にします。














