名刺管理「Eight Team(エイトチーム)」とは?特徴や料金、kintoneとの連携事例も解説!
Sansan株式会社から提供されている無料で使える名刺アプリ「Eight 」。無料という手軽さから名刺交換の多い営業職の方や個人事業主の方で使っている人は多いのではないでしょうか?
「Eight」は2012年2月から「個人向け」に提供されているアプリでクラウド上にスマホで撮影した名刺を登録・管理できるのが特徴です。それも無料ということで、当時生命保険会社で営業をしていた私も喜んで利用していました。
また、Sansan株式会社からは有料版のEightプレミアムや「法人向け」としてEight Team(エイトチーム)とSansan(サンサン)が提供されています。一方で「サービス毎の違いや使い分けが分からない」という方も多くいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、kintone連携でとても便利な「Eight Team」について、他サービスとの違いや特徴を解説します。またkintone連携の具体的な設定方法も紹介します。
この記事を読むことで、Eight Teamとのkintone連携で名刺情報の有効活用ができるようになるでしょう。
■この記事でわかること
・Eight(無料版・有料版)、Eight Team、Sansanの違いについて
・Eight Team(エイトチーム)の詳細について
・Eight Teamとkintoneを連携するメリット
・Eight Teamとkintoneを連携する方法やアプリの注意点
■こんな人におすすめの記事です
・効率的な名刺管理に悩んでいる方
・名刺管理サービスの利用を検討中の方
・kintoneをSFAやCRMに活用したい方
目次
Eight Team(エイトチーム)とは?
Eight Team(エイトチーム)とはSansan株式会社が提供する名刺管理サービスの一つです。
同社が提供する名刺管理サービスには、Eight(無料版)、Eightプレミアム、Eight Team、Sansanがあり、用途によって使い分けることができます。
それではこれらのサービスとの違いについて比較しながら解説していきましょう。
Eight(無料版・有料版)とEight Teamの違い
まずは、Eight(無料版・有料版)とEight Teamとの違いについて解説します。
Eight(無料版・有料版)
Eight とは個人向けの名刺管理アプリ。スマートフォンで名刺を撮影すると名刺情報が読み込まれ、アプリやブラウザで簡単に管理できるのが特徴です。
またEight には無料版と有料版(Eightプレミアム:月額600円税込)があります。無料版と有料版の違いは、
- 自分の名刺画像をデータでアップロード
- 名刺データのダウンロード
- お礼メール
- 画像メモ機能
- 連絡先アプリと連携
- PFU社製スキャナー「ScanSnap」連携用ソフトウェア「PC用 Eight scan β版」の利用
- 共通の知り合いの確認
といった機能面の充実性になります。
名刺をデータ化して管理するだけであれば無料版でも十分ですが、より便利に活用したい場合には有料版を検討するとよいでしょう。
有料版の機能でも特に人気なのが「名刺データのダウンロード機能」。この機能でEightに登録されている名刺情報のリストをCSV / ContactXML形式で一括でダウンロードできるため、年賀状やお歳暮の宛名作成、メール配信などに役立ちます。
Eight Team
Eight TeamはEightで管理していた個人のデータを社内や部署内でも共有できるようにしたサービスです。
個人で取り込んだ名刺データを共有するのは勿論、メモの共有やメンバーが退職・異動した場合もデータが残るアーカイブ機能(オプション)があります。
個人ではなく少人数で運営する会社や、部署・チーム単位で名刺データを有効に活用したい場合に便利なのがEight Teamといえます。
Eight(無料版・有料版)とEight Teamとの違いについて簡単に表にまとめたので参考にしてみてください。
Eight(無料版) | Eightプレミアム | Eight Team | |
料金 | 0円 | 月額:600円(税込) 年額:6000円(税込) | 月額:18000円(税抜) アカウント料:500円/名 ※10名以下はアカウント料無料 |
データ化 | 名刺データ化枚数:無制限 クラウド保存容量:期間、無制限 データ化の対象:おもて面のみ | 名刺データ化枚数:無制限 クラウド保存容量:期間、無制限 データ化速度:優先的にデータ入力 データ化の対象:両面 | Eightプレミアムと同じ |
Eightへ登録される項目 | 4項目(会社名 / 氏名 / 電話番号 / メールアドレス ) | 名刺の両面に記載された全項目 (会社名 / 氏名 / 電話番号 / メールアドレス / 部署・役職 / 郵便番号 / 住所 / FAX番号 / 携帯電話番号 / WebサイトURL) | Eightプレミアムと同じ |
限定機能 | – | 自分の名刺画像をデータでアップロード 名刺データのダウンロード お礼メール 画像メモ機能 連絡先アプリと連携 PFU社製スキャナー「ScanSnap」連携用ソフトウェア「PC用 Eight scan β版」の利用 共通の知り合いの確認 | Eightプレミアムの機能+同僚の名刺検索名刺情報の取り込み (※Excelなどのデータファイルのデータ取り込み) 名刺アーカイブ(月額5000円) |
他社サービス連携 | – | 筆王筆まめ宛名職人 | 筆王筆まめ宛名職人 Hubspotkintone |
Eight TeamとSansan(サンサン)の違い
続いて企業向けサービスとして同社から提供されている「Sansan」との違いについて解説します。
Eight Teamは中小企業や部署・チームなど少人数(10~50人程度)を対象とし、目的としては名刺管理・データの共有がメインとなります
一方でSansanは、名刺の情報を企業の財産として蓄積・活用し、売上アップにつなげるところまでが目的です。規模としては従業員数問わずどのような企業でも対象としており、利用者数が1,000名を超えるケースもあるとのことで、どちらかといえば大企業向けといえます。
簡単にいうと、Sansanは手に入れた名刺情報はすべて会社所有。Eight Teamは個人所有の名刺情報のうち、会社として活用するべきものは共有できます、というスタンスです。
利用料金に関してSansanは利用内容によって違うため、問合せないとわからないのに比べてEight Teamは10名まで月額18,000円、11名以上は1名ごとにアカウント料500円が加算されていくため明確です。
kintoneと連携する場合も、Sansanでは問い合わせが必要ですが、Eight Teamはオプション料で月額6000円と設定されています。ちなみに、どちらもkintoneと連携する際は、取り込んだ名刺情報をkintoneに流し込むという一方通行での利用という点では同じです。
Eight Teamの特徴
ここではEight Teamの特徴について下記の項目毎に詳細を解説していきます。
- 機能
- メリット
- デメリット
- 料金
- 口コミ・評判
機能
改めてEight Teamの機能一覧を表にまとめます。
項目 | 機能 |
データ化 | 名刺データ化枚数:無制限 クラウド保存容量:期間、無制限 データ化速度:優先的にデータ入力 データ化の対象:両面 |
登録される項目 | 名刺の両面に記載された全項目 (会社名 / 氏名 / 電話番号 / メールアドレス / 部署・役職 / 郵便番号 / 住所 / FAX番号 / 携帯電話番号 / WebサイトURL) |
限定機能 | 自分の名刺画像をデータでアップロード 名刺データのダウンロード お礼メール 画像メモ機能 連絡先アプリと連携 PFU社製スキャナー「ScanSnap」連携用ソフトウェア「PC用 Eight scan β版」 共通の知り合いの確認 同僚の名刺検索 名刺情報の取り込み 名刺アーカイブ 共有バーチャル背景 |
他社サービス連携 | 筆王 / 筆まめ / 宛名職人 / Hubspot / kintone |
- 名刺を整理して共有するための機能
- 名刺情報を活用するための機能
- 人脈を広げるための機能
として活用が可能ですよ。
メリット
メリットとして以下の3点があげられます。
・名刺データの移管・共有が簡単
・情報を社内の資産化が可能
・データを活用した効率化や生産性向上がしやすい
名刺データの移管・共有が簡単
Eight Teamは個人用で活用しているEightを、Eight Teamに招待するだけでチーム化可能です。すでに社内にEightの利用者が多ければすぐにEight Teamへ移行できますし、新規導入もアプリ登録で済むので非常に簡単。
また、登録したデータは紐づいているメンバーと即時共有できる点は非常に便利です。いつあったのか、その際何を話したかなどのメモ等も共有できるのも嬉しいポイントといえます。
情報を社内の資産とすることが可能
一般的に名刺情報は社員個人の所有物に留まってしまうケースが多いですが、Eight Teamを活用することで社内の資産とすることが可能です。
Eight Teamで管理しているデータはCSVにダウンロードができ、逆にExcelなどEight 以外で管理しているデータを取り込むこともできます。
また、取り込んだデータは社員の退職や異動があっても保管され続けるので、なくなる心配もありません。
このように個人で集めた情報を簡単に社内の資産にできる点は大きなメリットですよ。
データを活用した効率化や生産性向上しやすい
Eight Teamは各種機能や外部サービスとの連携で、名刺情報を活用した効率化や生産性向上しやすい点もメリットです。
詳細は後ほど解説しますが、SFA(営業支援)やCRM(顧客管理)の観点から非常に有効になります。
名刺を単なる担当者情報ではなく、売上に繋げる重要なデータとして活かせる点は会社にとって嬉しいポイントといえるでしょう。
デメリット
デメリットとしては以下の2つがあげられます。
・変わったデザインの名刺が取り込めない場合がある
・同時に取り込める名刺の枚数が少ない
変わったデザインの名刺が取り込めない場合がある
1つ目のデメリットは名刺が変わったデザインだと読み込みができないことがある点です。
台紙が白系の無地で、よく使われているフォントのシンプルなデザインであれば特に問題ありません。しかし、台紙にデザインが施されていたり、通常は使わないようなフォントの文字を使用したりしている場合、手入力で対応しなければならない可能性があります。
せっかくサービスを導入したのにすべての名刺を読み込めるとは限らない点をデメリットと感じるケースもあるようです。
同時に取り込める名刺の枚数が少ない
もう1つのデメリットとして、同時に取り込める名刺の枚数が4枚までと少ない点です。
普段の名刺交換の場などでは大きく問題になることはありませんが、展示会やセミナーなどで大量に名刺交換をしたときに不便に感じるケースがあるようです。
展示会などの参加が多い営業職などの場合は、こまめに交換した名刺を取り込んでいくなど、管理の工夫が必要となるでしょう。
料金
利用料金は以下の通りです。
基本料金 | 月額:18,000円(税抜)※年間契約のみ。支払いは月払い。 |
アカウント料金 | 10名までは無料11名からは1名毎に月額500円(税抜)の追加 |
オプション料金 | 名刺アーカイブ機能:月額5000円(税抜) Hubspot連携機能:月額5000円(税抜) kintone連携機能:月額6000円(税抜) |
10名までの少人数であればアカウント料金の追加も不要なので、中小企業や部署・チームでの利用に適しています。
※料金に関しては下記リンク(公式サイト)で簡単に見積もりシミュレーションが出来るので、事前に試してみるのがおすすめです。
料金 – 【公式】Eight Team 中小企業向け名刺管理サービス
口コミ・評判
ここではEight Teamに関する口コミや評判を紹介します。
“良い評判:価格の安さ
個人で使用している、Eightを会社単位で使用できるところ。 あとは、価格の安さが魅力。 どうしても中小企業やベンチャー企業だと名刺管理を導入したい時に、価格がネックになることが多い。 大規模な名刺管理は必要ないが、小規模向けに低価格で名刺管理を導入できるのは魅力
Eightは個人では無料、企業向けも他の名刺管理アプリと比較すると低価格で利用できることもあり、価格について良い評判が寄せられました。”
引用:名刺管理「Eight(エイト)」とは?アプリの機能・使い方・評判・料金 | BOXIL Magazine
“名刺情報を共有化し、顧客管理が容易
登録は名刺を撮影するだけなので簡単ですし、名刺情報のクラウド化が進んでいるため、検索性が大幅に向上し、名刺管理の手間が大幅に軽減されます。 名刺をユーザー間で社内共有できるため、営業情報の共有に適しています。
名刺管理がスマホ上でできる
ひと月に名刺を100枚以上交換する機会があったとき、どのタイミング、どの業界のどの役職の方とどのような会話のフローにて名刺を交換したのかが分からなくなった。クラウド上にて管理できるので社内共有ができるうえ、誰とどのような会話をしたのか覚えやすく、ビジネスチャンスを逃すことが少なくなった。
名刺管理が楽になる!
自分自身が交換し保存した名刺を検索できるだけでなくキーワードができることで細かい情報や大雑把な覚えかたかでも容易に見たい名刺を閲覧できる。そしてチームメンバーが交換した名刺も閲覧できるのでむだな工数が減りました。”
引用:Eight Teamとは?価格・機能・使い方を解説|ITトレンド
このように
- 安価な価格設定
- 共有・管理が楽になる
- スマホで手軽にできる
といった点について評価されていることがわかります。
実際のユーザー評価も高いサービスなので、中小企業や少人数のチームではDXの取り組みとしても有効といえるでしょう。
Eight Teamをkintoneと連携するメリット
ここではEight Teamをkintoneと連携する4つのメリットについて詳細を解説していきます。
- ボタン一つでEight Teamの情報をkintoneに連携・管理が可能
- Eight の最新情報がkintoneに反映
- kintoneに名刺情報を入力する手間を削減
- 営業活動(SFA・CRM)に活用可能
1. ボタン一つでEight Teamの情報をkintoneに連携・管理が可能
1つ目のメリットは、Eight Teamはkintone連携機能を利用することで、ボタン一つでEight Teamに共有された名刺情報を連携・管理できる点です。
具体的な連携方法は後ほど解説しますが、簡単な設定をしてしまえば手間がほとんどかからずに連携できるため非常に便利ですよ。
2. Eight の最新情報がkintoneに反映
2つ目のメリットは、Eightの最新情報もkintoneに反映される点です。
新規で交換した名刺情報は勿論ですが、利用者350万人以上のEightユーザーの更新情報もkintoneのレコードに反映されます。
顧客情報などは気づかないうちに古くなりがちですが、Eight Teamとの連携で常に最新の顧客情報を反映できるのは、正確な顧客マスタ作りに役立つでしょう。
3. kintoneに名刺情報を入力する手間を削減
3つ目のメリットは、kintoneに名刺情報を入力する手間が減ることです。
通常であれば手入力やCSVからのインポートが必要ですが、EightTeamと連携することでその必要がなくなります。スマホで名刺を撮影するだけなので入力の手間を削減でき、同時に入力ミスを削減する効果も期待できます。
さらにkintoneに反映された名刺情報は、ルックアップ機能で案件管理や日報に自動引き継ぎできるため、様々なアプリも使いやすくなる点はメリットと言えますね。
4. 営業活動(SFA・CRM)に活用可能
4つ目のメリットは、SFAやCRMとして営業活動に活用できる点です。Eight Teamとkintoneの連携することで、単なる名刺情報が見込客として営業活動に利用できます。
契約に至るまでの活動記録を残せばSFA(営業支援システム)として、契約後の追加購入やサポートサービスに活用すればCRM(顧客管理システム)としての利用ができます。
この点が他のSFAシステム連携とkintone連携の一番大きな違いであり、メリットとなる部分と言えるでしょう。
契約となったあとは契約内容の管理や売上データとも紐づけて可視化でき、請求・入金情報もkintoneに集約することで債権管理までも行うことができます。
名刺情報が簡単にkintoneに取り込めるというだけではなく、その先の業務にもつなげて利用することで連携するメリットは大きくなっていくことでしょう。
Eight Teamとkintoneの連携設定方法
①kintoneに連携用アプリを作成する。
Eight Teamヘルプページには連携用アプリテンプレートのダウンロードが可能になります。ただし、関連レコードやアクション機能の設定などのカスタマイズは行った方が良いです。
②kintone連携用アプリのAPIトークンを生成する。
(レコード閲覧・レコード追加・レコード編集の権限を付与)
③kintone連携設定を行う
画面右上の複数人マークをクリックするとEight Teamの管理画面が開く
Eightからkintoneに連携できる項目(フィールド名)は、今のところ、会社名・氏名等の名刺情報に加え、名刺交換日や名刺交換者などがあります。
詳しくは、Eight Teamのヘルプページをご覧ください。名刺交換日は日付フィールド、その他はすべて文字列(1行)です。
設定はこれで終わりで、あとは「同期」ボタンをクリックすればkintoneに情報が連携され、自動設定はなく、手動で「同期」をクリックしたときのみの連携となります。
kintoneアプリを作るときの注意点
kintone側に情報が入るアプリは「企業内の担当者」がひとつのレコードになります。
ただ連携しただけだと、企業管理アプリの情報と紐づけることができないので「企業名」をキーにして企業管理アプリに登録があるかを確認できるようにします。
登録があった場合に、同じ企業で他に名刺交換をした人やそれぞれ誰が交換したのかなども表示したり、企業管理アプリのレコードを見たときにも名刺交換をした担当者を全部表示できるようにしておくと便利です。
関連レコードで表示できるのは、レコードの詳細画面を開いたときとなります。Eight Teamから同期をしてkintoneに取り込んだ際に、何かのフラグを立てて「企業管理に情報がないものを絞り込む」などができれば便利なのですが、残念ながらレコードを開かないと確認できません。
もし、企業管理に情報がなかった場合はアクションボタンから企業情報に登録をする作業も発生するので、運用としては新しく取り込んだレコードから目視確認をすることになります。
kintoneに連携をするときの注意点のまとめとしては、Eight Teamから同期してkintoneに情報が入ってきたときの運用のルールを決める必要があるということになります。
メールアドレスをキーとして、Eight上で部署や役職が変わったときに自動で上書きされてデータが新しくなります。新規に入ってきたレコードに対しては企業登録の確認作業を「誰が・どのタイミングで」行うかを決めておかないと、情報を紐づけていくメリットが活かされなくなってしまうので、気をつけてください。
まとめ|Eight Teamとkintoneを連携して名刺情報を有効に活用しよう!
この記事では、
- Eight Teamと他サービスの違いについて
- Eight Teamの特徴やメリット
- Eight Teamとkintoneの連携方法
について解説してきました。
Eight Teamとkintoneを連携することで、名刺情報が営業活動や債権管理にまで活用できるのです。
この記事の内容を参考に、是非Eight Teamの活用とkintone連携にチャレンジし、ぜひ業績アップを実現させましょう!
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