【構築日記】kintoneで関数を使いこなす!「計算式プラグイン」の紹介
目次
はじめに
ペパコミ株式会社でサポート担当をしている鍋島です。
今回は最も頻繁にお客様提案していて、最も多くのカスタマイズ事例に登場する「計算式プラグイン」についての概要を、kintone作成者向けにご説明します。
このプラグインは凄まじく高性能で、機能説明のドキュメントも驚異的な充実ぶりなのですが、それ故に「サっと読める簡単な説明が欲しい」、という要望をしばしば受けますので、書きました。
この記事を読むとわかること
- 計算式プラグインとは何なのか?
- 計算式プラグインを使う場面
計算式プラグインとは
計算式プラグインとはrex0220様の作られているプラグインです。
2024年4月現在、買い切り10万円で購入可能です。買い切りなのでランニングコストは不要です。
ざっくり一言で表すと、kintoneの計算機能を超強化し、Excelレベルに引き上げるプラグイン……ですが、それだけではわかりづらいので、もう少し具体的に5つの使い方をご紹介します。
レコード内でExcelライクな関数が使用できる
kintoneのフォーム設定をしていて、数式にExcelのようにSUMIF関数、DATEなどの日付関数、LEFT関数などの文字列操作関数が使えたら……といった思いを抱いたことがある方は少なくないかと思います。
JSなしで、こうした関数が使用できるのが計算式プラグインです。
関数名がExcelと違うことがある、関数は大文字でないと反応しない、など多少の癖はありますが、Excelの関数をkintoneのレコード内で使えるようにするプラグインが計算式プラグイン、とイメージしていただくと良いかと思います。
例1:税率ごとの合計金額を求めるために、SUMIF関数を使いました。
計算結果を任意のフィールドに入力することができる
データ処理、リマインダーの通知設定、検索プラグインの設定を行っている方はご存じだと思いますが、その値がどのフィールドタイプに入力された値か、というのはとても大切です。
例えば公式ヘルプの様に、kintone標準機能で月末日付を計算することは可能ですが、この結果は文字列一行フィールドに格納されています。
文字列一行フィールドの値は、入力されている値そのものについて人間の目では区別がつかないとしても、システム的にはリマインダー指定の対象にできませんし、グラフや一覧を作成する際に日付として処理することもできません。駆け出し期の私は見事に引っ掛かりました。
計算式プラグインを使うと、日付やドロップダウン、ユーザー選択フィールドといった、本来は自動計算した値を入力することができないフィールドに、自動計算した値を入力することができます。
例2:自動計算した曜日をドロップダウンに入力することで、絞り込みの設定がしやすくなります。
通常は計算に使うことができないフィールドの値を計算に利用することができる
ユーザ選択フィールドやレコード番号、文字列複数行といった、kintone標準機能による自動計算に用いることができないフィールドの値を計算に利用することができます。
前項は「計算した結果を任意のフィールドに出力」。本項は「計算に使う値を任意のフィールドから取得」なので対になっている考え方です。
例3:ユーザー選択フィールドとステータスを結合し、レコードのタイトルとして文字列一行に入力
既存レコードを対象とした数式の一括計算ができる
計算式プラグインは一覧のレコードを対象に一括計算を行う機能があるので、既存のレコードに一括で計算結果を入力することができます。
実務的には、csvから読みこんで作成したレコード、krewData等で作成したレコードを対象に処理することに使っています。
例4:一覧画面に一括計算ボタンを設置
基本的には自動計算だが、手入力することもできるフィールドを作れる
「基本的には自動計算して問題ないが、手入力もできるようなフィールドを作りたい」という要望をいただくケースがあります。
具体的には商社等で、割引額を割合で指定することもあるし、端数を調整する額で設定することもある……といったケースでこの設定を行います。
まとめ
以上、簡単にですが計算式プラグインを使う場面や機能の概要についての説明でした。
具体的な機能や設定方法を知りたい方は、作成者によるドキュメントが存在するのでそちらを見てください。
Excelの関数を知っている方であれば、日付の計算を行うプラグインや、文字数を数えるプラグインの機能を代替できますので、計算式プラグイン1つで多くのプラグインの役割を持つことができます。
また、実務では「集計エラーとなるデータの作成を検知する」役割で使うこともあります。検知後に他のプラグインを使ってそれをユーザーに知らせる、という使い方をすることで、意図しない集計データの作成をかなり抑制できますので、意図しない集計データが作られて困っている方にもオススメです。
非常にオススメのプラグインとなっていますので、まだ使ったことのない方は、ぜひトライアルを申し込んで使ってみてください。
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