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kintoneで勤怠管理をしたい方必見!知っておくべき勤怠管理の必要項目

勤怠管理の必要項目

従業員がいるどこの会社も必ず行う「勤怠管理」。ひと昔前は「タイムカード」というものがあり、細長い紙を時計表示のある機械に挿すと打刻印がつくというものを利用したことがある人も多いでしょう。

打刻をしたタイムカードを元に「勤怠管理表」を作成し、働いた時間を計算しているという会社もまだあるのかもしれません。

仕事をした時間を管理する「勤怠管理」にはいくつかの場面で利用することになります。
・労働管理
・給与管理
・原価管理など

それぞれに法律の規則があり、使用者は正しく管理する義務があります。ただ打刻すれば良いだけではなく、何に利用されるのか、どんな項目を管理しなければならないのかを知っておかないと、タイムカードではなくkintoneに置き換えたいだけでは使えないものになってしまいます。

勤怠管理を行う理由

kintone賃金台帳

労働管理

働く人(労働者)と雇う側(使用者)の間には様々な義務と権利があり、労働者を守るために安い賃金で重労働などをさせないような法律や、怠けで働かず賃金だけを搾取するようなことがないように使用者を守るためのルールなどにより、働く際には労働契約を結ぶこととなっています。

「契約」というのはお互いが納得したという意思表示があれば成立しますが、言葉だけだと後で「言った、言わない」など証明できなくなるため「労働契約書」「労働条件通知書」などの書面により、労働契約の締結を証明できるようにしておくのが一般的です。

そして、この労働契約に沿って業務が遂行されていることを証明する手段に「勤怠管理」があります。

基本的には会社の「就業規則」に働く環境や健康、社内秩序などの労働ルールが明記されているため、その内容に沿って正しく勤務するのですが、毎日の労働時間や休暇管理は日々の勤務時間をタイムカードなどで打刻することにより証明できることになっています。

「ブラック企業」「ホワイト企業」という言葉も当たり前に使われるようになりましたが、その裏付けの一つになるのが日々の打刻となるため、労働に関する揉め事になったときに、労働者も使用者もお互いの主張を証明するものとして「勤怠管理」のための打刻が大事なものであることが理解できるかと思います。

給与管理

仕事をするの一番の目的は「お金」になるので、この給与の源となるのが「勤怠管理」での打刻となるのはわかりやすい話です。難しいのは「時間外労働」で、会社によってルールが異なります。

特に現場作業の多い職種になると、夜間労働や不規則な就業形態があり、月給の範囲と時間外労働、深夜労働などそれぞれの時間により給与を計算することになるので、打刻が単に出勤と退勤だけでは済まないことが想像できるのではないでしょうか。

他に、給与計算は支払われる金額だけではなく「控除」する金額の計算も必要となり、休暇種類により有給消化の確認、所得税・地方税などの管理、会社によっては経費精算も給与で行うこともあります。
そのため、社労士事務所や税理士事務所といった専門士業さんに依頼している会社も多くあります。

ただ、クラウド会計や人事労務システムを利用して社内で業務を行う会社も増えているため、kintoneの導入もそのキッカケのひとつにはなっています。社内で労働管理や給与計算を行うことは良いのですが「勤怠管理」をただ打刻すればよいではないことは認識しておく必要があります。

原価管理など

建設業に多いのですが、人工という言い方で働いた人の数を請求する業態の場合、勤怠管理を元にして原価計算をすることも良くあります。

せっかくkintoneで打刻管理をするなら、同時に原価として集計できるようにしたい、というような要望も少なくありません。原価管理に関しては労働規則や税金のような法律ではなく、社内ルールで決めることができるため、打刻のシステムを検討する際には優先度としては下げておき、法律を満たす形で打刻管理を決めてから、どうやって原価として振り分けるかを考えた方がスムーズでしょう。

勤怠管理を行う上での必須項目

労働基準法によって作成が義務付けられている法定帳簿には「労働者名簿」「出勤簿」「賃金台帳」があり、これら3つは「法定三帳簿」と呼ばれ、いずれも作成と保存が法律で義務付けられており、労働者を雇用したら必ず法定三帳簿を整えなければいけません。

似たような内容に従業員への「給与明細」がありますが、こちらの内容な所得税法、健康保険法など法律の管轄が違い、その明記しなければいけない内容が違うため、それぞれに管理する必要があります。

その中でも「賃金台帳」は何かと申請で作成する機会が多いため、この賃金台帳に記載すべき項目は勤怠管理を行う上で必須項目と言えるでしょう。

賃金台帳に記載すべき項目

①労働者氏名
②性別
③賃金計算の期間
④労働日数
⑤労働時間数
⑥時間外労働時間数
⑦深夜労働時間数
⑧休日労働時間数
⑨基本給や手当等の種類と額
⑩控除項目と額

kintoneで勤怠管理

kintoneで勤怠管理

正直言ってkintoneの標準機能のみで勤怠管理を行うとなると、様々な計算を運用で補う必要があります。例えば日々の出退勤から時間外労働と深夜労働を計算するまでは計算式で可能ですが、月の集計をする際には別のアプリで計算する必要があります。アプリ間の集計は標準機能でできないため、プラグインの利用や開発によるカスタマイズが必要です。

ひとつのアプリで「サブテーブル」を利用して入力する方法もあります。こちらは月の集計を標準機能で可能となりますが、サブテーブルに細かく入力していく作業は入力する人のリテラシーによって「できる」「難しい」が分かれるため、社内のメンバーとの相談が必要となるでしょう。

この打刻作業をするツールとしては、①kintoneで全員がユーザーIDをもって行う、②じぶんページやフォームブリッジ+kViewerなどのプラグインを利用するのか、③勤怠管理ツールを利用するなどいくつかの選択肢があります。従業員数や社内環境によって検討が必要です。

その後の給与計算を考える際には、経理・人事を行う人との相談となります。上記のフローイメージ図では、krewDafaを利用したアプリ構成を記載いたしました。
標準機能はやはりアプリ間の集計はできないために、自動計算をするにはプラグインが必要となります。もし、標準機能で行う場合はアプリの関連レコードで表示したものを見ながら手入力という形になるかと思います。

他にも開発によるカスタマイズやマネーフォワードやfreee会計のようなシステムと連携する方法を検討する方法があります。

いずれもいきなり始めるのではなく、kintoneの標準機能を熟知してから検討することをお勧めします。

勤怠管理をkintoneで行うまとめ

今回はあまり触れませんでしたが、勤怠管理をつかって原価管理をしたいという要望もあります。実際に勤怠管理という形ではなく「日報」を勤怠管理に流用するという方法により、原価管理も行っている会社さんもあります。

しかし、これが可能になっている理由としては「日報を細かく入力すること」が徹底されているという背景があり、打刻を簡易的に行う場合には適用できません。

つまり打刻を簡単にして、給与計算も労働管理も原価管理も行えるようにしたい、という場合には、多額の費用をかけてシステム開発を行うしかなくなります。ただ、いきなり簡易的にはなりませんが、少しずつ簡素化し、時間をかけて効率的にすることは十分に可能です。

勤怠管理とひとことでも、さまざまな角度からの検討も必要となるため、焦らずに時間をかけながらkintoenの理解と社内の定着を行うことが成功への一番の近道だと思って頑張ってください!

たけたに
kintoneを軸とした中小企業のDX化サポートをしています。 導入する企業さまと一緒に構築をし、伴走して運用に落とし込むお手伝い、さらに担当者の教育を行っています。 kintoneだけではなく周辺業務の専門システムを連携する業務設計を運用担当者と一緒に考え、仕事をただ義務と責任で行うのではなく、自分の能力を最大限に活かし楽しむ場となることを願いつつサポートしています。
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