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kintone(キントーン)の担当者を決めて内製化をするときに必要な5つのこと

キントーンの内製化に必要なこと

ノーコードシステムのkintone(キントーン)はドラッグアンドドロップでシステムを作れるため、担当者を決めて内製化(自社内で運用・改修)しようとする企業さんがとても多く、実際に初期の導入~1年ほどサポートをして内製化をした企業さんを見てきました。

しかし、内製化がうまくいかないケースもあり、なぜうまくいかないのかと思ってうまくいくケースと比較したところ次の5つの事柄がとても重要だということに気が付きました。

今からkintone(キントーン)の導入を検討している企業さん、また内製化が進まず困っている企業さんは次の5つの事柄を実践してみてください。

1.目的を共有する

kintone(キントーン)を導入しようとするとき、大抵は何かしらの課題が目の前にあります。

例えば「請求書をExcelで作成しているが、煩雑なのでシステム化したい」営業活動の管理と契約管理がバラバラなので一元管理したい」など、具体的な業務の中で「今のままでは良くない」と思っていることがあり、この問題を解決するためにシステム導入を考えるんですね。

そのため、「目的は?」と聞かれると、システム導入を検討するキッカケになった課題の解決が最初に思いつくのは当然です。

しかし、実はここでkintoneが候補となる大きな理由に「自分たちで作ることができるので、他の業務にも使えるのではないか?」といった期待を持つことが多いです。
特に中小企業の中でも200人以下の企業の場合は、部門ごとに専門システムを利用すると逆に情報が分散されてしまい、紐づける作業の方に手間がかかることになるので、kintoneのように導入のキッカケになる課題の解決は当然のこと、さらに利用できる業務でシステム化できることは利点でしかありません。

ただ、ここまで考えた時点で「目的は?」と再度考えると、当初の課題はあくまでも通過点ということになります。

つまりは「本当の目的」を改めて考えて、会社としてなぜkintoneを導入しようと思うのか、どうなりたくて担当者にkintoneを覚えて欲しいのかということを言語化し、その内容を担当者や社内で共有することが必要となります。

2.担当者は2人以上にする

kintoneを使って業務改善をすると考えたときに、本来の業務ではないからとシステムに明るい人、または事務担当の人を担当者とする会社さんも多くありますが、そのときに担当者を一人にするのは絶対にやめた方が良いです。

〈担当者を一人にするのが危険な理由〉
・実際に利用する人たちの意見を取り入れる必要がある
・わからないことがあったときに、解決する方法を相談できない
・運用時点でうまくいかなかったときに責任を負わされる
・もしその人が休んだり、やめたりしたときに誰もkintoneがわからない状態になる
・孤独になりメンタルがやられる

kintoneは簡単に触れるシステムではありますが、誰もが簡単理解できるものでもありません。
結局は担当者にしかわからないという状態になってしまうと、担当者にとっても会社にとっても不都合なことしかありません。

最初に人員を割くという勇気は必要かもしれませんが、結果的には絶対にその方が良いので、担当者を一人にするということだけは避けてください。

3.担当者の役割を決める

担当者はkintoneに関する知識を身につけていくことになりますが、会社の業務としてどのように運用するのかは別の問題となります。

例えば「kintoneに営業の活動日報を入力する」と決めたとします。入力するための「活動日報アプリ」の作成をkintone担当者が行うことになりますが、そのときに「今日何をしたのか」を入力する項目として自由記述としてフリースペースを置いておくのか、それとも選択項目を用意して「商談」「見積提出」「契約締結」など何かを選ぶようにするのか、それは営業管理側が決めますよね。

その際にも今までやってきたことを変えずにkintoneに入力するのか、それともkintoneに入力することキッカケに活動内容から成約率を取るためのデータとして使える形で入力するのか、方針によっても作り方が変わってきます。

その判断を担当者に任せるのはおかしな話ですよね。

当然、営業管理側が今後の方針と目的を伝え、そして入力させるためのメンバーへの落とし込みは営業管理が行うことになり、kintone担当者は指示をされた内容でアプリ作成を行います。

この当たり前と思える役割が、なぜか実際はkintone担当者に丸投げされて、営業管理側が協力しないといったことが割とよく起きています。kintone担当者の役割は何なのかをちゃんと決めて、社内での認識を合わせておくことが大切です。

4.管理・運用ルールを決める

kintone担当者は会社で決めた内容でアプリを作成し、使える状態にする技術的な面は責任を思って行うことになりますが、kintoneとしての管理・入力、活用の運用ルールに関してはそれぞれの部門責任者を置くことが必要です。

管理としては、アクセス権やパスワード管理、休職者・退職者があった場合のユーザー取り扱いルールなど、基本的なことは明確にルール化しておかなければいけません。

タイミングに関して最初の導入時点に決めるというよりは、kintone担当者がkintoneの機能を一通り理解してからが良いでしょう。導入時点でいきなり全社で利用したがる会社さんもいますが、できれば先に担当者の機能理解を行っておくことをお勧めします。

理由はいくつかありますが、アクセス権だけでもスペースによるアクセス権、アプリ・レコード・フィールドとそれぞれによるアクセス権、他にも入力の制御などいろいろな種類の制御方法があり、よく理解をしていない状態で始めてしまい、問題が起きてからバタバタするとその立て直しに多くの時間を割くことになってしまいます。

他にも承認が必要な業務に対するワークフローや、組織の設定などいろいろなことができる分、すべてを熟知してからというよりも基本的なことをざっくり理解していれば、大きな問題になる確率がかなり低くなります。

ある程度の機能を理解した時点で、社内の管理職以上の方々と管理・運用ルールを決めて、その上で皆が利用できるアプリを作成していくとスムーズな運用ができることになります。

5.会社全体の協力体制を作る

当然のことですが、会社でkintoneを導入し利用すると決めた以上は、会社に勤める従業員は協力して運用に携わるべきです。しかし、現実は「現場が入力してくれない」ということに悩む経営者、担当者が多くおられます。

会社として、社員を苦しめるためにkintoneを導入することはありえません。当然今よりも何かしら良くなるために前向きな判断で導入をしています。それがなぜか社員が協力しないといった現象が起きているのですが、原因のひとつに「伝えていない」ということがあると考えています。

なぜ、kintoneを利用するのか、最初は慣れないことかもしれないけど、使っていった先にどんな未来を期待しているのか、それはみんなに取ってどのような意味があるのか。など、とにかく情報を社内に伝えて協力を求めることをする必要があります。

誰だって、頭から理解をしないつもりでいることはないと思います。ただ「あの人たちが勝手にやってる」的な感覚でとらえられてしまうと、協力する気持ちにはなりません。

会社としての方針、目的、未来など社内で共有し、みんなで協力して良くなっていこうと言った方向性を示すことで、kintone導入から運用、そして改修といったステップをスムーズに進めていくことが可能になります。

kintone内製化に必要なことのまとめ

kintoneは中小企業のIT化、そしてDX化に進んでいくためにとても有効なツールです。社内でkintoneを扱える担当者を育成し、現場の要望や状況に対して迅速に対応できる体制を作ることができれば、つまり内製化できれば、より柔軟に業務に馴染んだ形で運用することが実現できます。

しかし、それは担当者のみに任せることではなく、会社としてどうしていきたいのか、なぜkintoneを選択したのかなどの方針・目的をしっかりと共有していくことがとても重要です。

私たちは、kintone担当者が孤独に戦い、そしてあきらめてしまうことも見てきました。そのようなときは本当に残念で、なぜ経営者や管理職の方がもっと前向きに携わってくれないのかと悲しい気持ちになります。

どんなシステムでも「機能」と「運用」という問題はあり、機能面で「できる」ことも利用する人たちが使いにくかったりして入力できないなどの運用面で「できない」が起きると、結果的には使えないシステムになってしまいます。

特にkintoneのような簡単に作れる、改修できるシステムはこの運用面の問題を軽視されがちなことが、大きな壁となって「使えない」という結果になっていることが多くあります。

この問題は、会社としてちゃんと方針と目的を共有することで解決できることでもあり、それはシステムを導入する上で当たり前のことなので、ぜひ何となくではなくちゃんと言語化した上でkintone担当者への教育を始め、内製化の実現へと進んでください。

たけたに
kintoneを軸とした中小企業のDX化サポートをしています。 導入する企業さまと一緒に構築をし、伴走して運用に落とし込むお手伝い、さらに担当者の教育を行っています。 kintoneだけではなく周辺業務の専門システムを連携する業務設計を運用担当者と一緒に考え、仕事をただ義務と責任で行うのではなく、自分の能力を最大限に活かし楽しむ場となることを願いつつサポートしています。
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