kintoneに限らずDX化をするときに必要な人材とは?効率的に確保する方法
「デジタル人材」「IT人材の不足」が言われ出してから10年近くになりますが、企業の業務をシステム化していく上で本当に必要な人材とはどのような人なのか、「デジタル人材」「IT人材」に該当するスキルを持つ人なのか、考えたことはありますか?
kintone構築・サポートをしてきた経験の中で、リアルにどんな人材が必要か、システム化、DX化をしていく上で必要なスキルはどのようなものかをお伝えします。
DX化の落とし穴
DX化をするための方法や手順など、様々なフレーズがありセミナーもたくさん開催されています。
しかし、そのほとんどが「デジタルデータを活用」がスタートとして「どのように使うのか」「利用するための知識・ツール」「活用のためのデジタル人材」といった内容になり、デジタルデータがあってこその話となっています。
例えば「販売管理システム」や「会計データ」のようにすでにデータ化されているものに関しては、先の話で全く問題ないのですが、企業の情報というのは部分的なものだけではなく、現状まだデータ化されていない業務の方が多くあります。
売上になるための案件に関してデータ化する必要がある事柄
・何をキッカケに自社を知ったのか
・どのような流れで契約になったのか
・契約後のフォローはどのように行われていて継続率はどのくらいなのか
・現在どのくらいの見込案件があるのか
・自社が得意としているお客様はどのような方が多いのか
このような内容をデータ化して見えるようにすることで、新しい自社の強みや展開が生まれ、DX化につながっていきます。まずはデジタルデータにすることが必要で、そこに気づかずにただシステムを導入すればDX化できると思っていると行き詰まることになります。
そのような落とし穴にはまることがないよう、現状の把握を行うことが大切です。
デジタル人材とIT人材の違い
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
AI・IoT・ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務の改善や新たなビジネスモデルの創出する
・デジタル人材
AIやIoTといった最先端のデジタル技術を活用して企業に対して新たな価値提供ができる人材
・IT人材
ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材(2016年中小企業白書より)
一応一般的に言われている定義を書きましたが、これを見てわかるように「DX」「デジタル人材」はデジタル技術を使って何かをするため、前提として情報データがデジタルになっていることが必須です。
それに対し「IT人材」はシステム導入や企画、運用といったデジタルになる前の業務に対して行う人を指しています。つまり、社内情報がすべてシステム化されておりデータベースを持っている状態であればデジタル人材を確保・育成し、DX化をすれば良いことになります。
ではkintoneの導入を検討する企業に必要な人材は?という話ですが、社内情報がデータとして蓄積する仕組みが確立するまでは必要な人材は「IT人材」ということになります。
社内のDX化に必要な人材の特徴
・自分が働く会社がIT社会に対応させるために行う変化を受け入れ、行動できる人
定性的な尺度で申し訳ないですが、今まで多くの会社のkintone導入をお手伝いしてきた経験から、IT化が進まない会社の一番の弊害は「変化を嫌う人」です。
一歩下がって客観的にとらえると、会社の方針に反対する場合はそれなりの正当性があってのことだろう、と考えたくなりますが、実状は「ただ慣れないことはしたくない」くらいの理由です。
それでも中小企業では労働力は大切な資産なので、無視できない意見となり、結果「変われない」という状況となっているのです。必要なのは「デジタル人材」でも「IT人材」でもなく「変化を受け入れる人」です。
もしこの定量的に考えるとして、あえて言うと「年齢」かもしれません。変化速度が速くなっている今の時代で、変化が当たり前と思える世代をどこかで区切って社内の影響力を持たせることで、「変化が当たり前」の社風に変えることができるのではないでしょうか。
効率の良い人材確保の仕方
・外部パートナーとしてIT・デジタルに強いく運用を加味できる人と契約すること
例えば、kintoneを導入して業務日報を入力しよう!と決めたとします。社内に旗振り役のような人がいて「みんな、入力していこう!」と声をかけてくれる人がいれば、入力は進むでしょう。ただ、日々の活動に落とし込むのは慣れる時間もかかることと、不具合に気づき、改善していくといった工程がないと本当の意味での落とし込みにはなりません。
そして実際にIT化からDX化へ進めていくためには、日報だけではなく他の業務もIT化するために拡張していく必要があり、それを全部社内で進めるということに高いハードルを感じ、人材確保の壁にぶち当たることになります。
しかし、そこを外部の契約パートナーがいることで役割を分担することが可能となり、さらに他の業務を求める必要がないため「IT化・デジタル化をするために必要な費用」と目的が明確な形で予算の捻出が行えるため「雇用」よりもわかりやすい支出となります。
スキル・知識面でも他社を経験していることで高い力が身についていることは大きなメリットで、無理やり社内にIT人材を確保しようという考えよりも、簡単で効率的です。
IT化人材確保のまとめ
税務や社会保険労務も社内で行うことができる仕事であっても、専門性が高く、不明なことを調べるだけでも大変な労力になるため、外部の専門事務所と顧問契約をして委託するのが当たり前ですよね。
IT人材も同じだと考えています。専門的な知識とスキルを必要とする業務であり、常に新しいシステムが生み出されている状態ではありますが、直接的に売上につながる業務ではありません。
そのような業務に関しては、社内の労働力を割くよりも社外の専門家に任せる方が、より質の高い人材を社内業務の力にしていくことが可能となります。
そして社内でやるべきことは「変革を受け入れる、積極的に取り組む風土作り」です。ハッキリ言って気持ちの問題なので、年齢も経験値も業界も関係ありません。
取り組む気になるかならないか、ただそれだけです。
外部の専門家を伴走パートナーとして一緒にIT化・DX化を目指し、中長期的な目的意識を持って取り組むことで、失敗のないシステム導入となり、社内の意識も変わっていきます。
どれだけ良いシステムを入れても、使わなければ何の意味もないということを心に刻んでもらって、私たちはひとつでも多くの企業がIT化・DX化を実現していくことを応援していきます。
この記事へのコメントはありません。