【企業DX】業務効率化・生産性向上のためのkintone基礎講座
企業のDX化が必要だと言われる理由のひとつに「業務効率をあげて、生産性向上を目指すこと」がありますが、それは具体的に何からどうすれば良いかわからない会社さんも多いことでしょう。
「DXのためのリスキリング」と言われてプログラミングの講座も多く開催されていますが、自社の業務をシステム化するために知識を落とし込むまでには多くの時間が必要になります。
kintoneは基本的にはノーコードシステムで、ドラッグアンドドロップで業務システムを作ることができるため、プログラミングのコードを学んでからシステムを構築するよりも短期間の学習により、すぐに業務に落とし込んで利用できる知識となるのが大きなメリットです。
kintoneの特徴として「拡張性」があり、他のシステムとの連携やJavascriptによる機能拡張などが可能なためローコードシステムとも言われています。このように柔軟性が高く、幅広く活用できる業務ツールはなかなか他にはないので、kintoneを学ぶことのメリットは大きく、企業の業務効率化・生産性向上に役立つことでしょう。
「業務効率化・生産性向上のためのkintone基礎講座」では、DXするために必要なこと、そのためにkintoneが有効的であること、kintoneを導入して失敗することなく、しっかりとデータを活用するためにどうすれば良いのかということをkintoneの基本的な使い方と合わせて学べるものとなっていますが、もう少し詳しく説明いたします。
目次
DXするために必要なこと
ひとことで言うと「集約されたデジタルデータがあること」です。
DXというのはデジタルトランスフォーメンションの略でデジタルデータを活用して新しいサービスを想像したり、変革するということと定義づけされています。つまりデジタルデータが集約されているところからスタートするのですが、実際は社内の情報がデジタル化されいない、又はデジタル化していても集約されていない企業さんがほとんどです。
例えば、リフォームをしている会社さんがあるとします。①売上-(②材料費+③作業代)=④粗利益となりますが④粗利益を出すために、①②③のそれぞれのデータを請求書や日報などを見ながらExcelに入力して表を作っているといった作業をしています。
もし、売上請求書の発行、作業報告書などを日常業務で入力するだけで、情報が集約されて粗利表が自動的に出来上がるとしたら、このExcelに入力して表を作る作業はいらなくなり業務効率が上がります。
最近ではAIの進歩が目覚ましいですが、AIは多くのデータからの情報により自分で考えて結論を出して答えてくれるため、持っていないデータに関しては答えることができません。つまりとても単純なことですが、情報がデジタルデータになっていないとITを活用することはできません。
まず必要なのは情報がデジタルデータになっていること、そして活用するためには、データが集約されていること、となります。
kintone(キントーン)がDXに有効的な理由
こちらもひとことで言うと「自社の業務に合わせて作り、改修・拡張ができるから」です。
同じ業種・業態であっても、会社さんによって業務の流れや管理する項目が違います。夫婦の数だけ形があるように、会社の数だけ業務の形があります。過去にパッケージソフトを利用しようとして断念した会社さんも多いのではないでしょうか?結果、今でもExcelで管理しています、といった会社さんを多く見てきました。
Excelはとても便利ではありますが、AファイルとBファイルのデータを集約しようとするとそれぞれのデータをコピーしてCファイルを作成することになります。その際にもしAファイルのデータ内容が変わったとしたら、自動で変えられないかといった要望が出てきたりして・・・。
その結果、accessを開発したり、Excelのまま転記して利用したりと様々な形で工夫していると思いますが、そこでも今度は「共有」といった問題が出てきます。部分的な情報での共有はスプレッドシートなどにより実現できていますが、業務全体を社内共有となると柔軟性や拡張性に問題がでてきます。
kintoneはこのような問題を解決し、社内情報のデジタル化・共有・集約を実現できます。
クラウドツールなので、インターネット接続可能は場所であればどこからでも業務を行うことが可能であり、アクセス権の設定により、必要な人に必要な項目だけを閲覧権限を付与するなど会社のルールにのっとった権限設定が実現できます。さらにノーコードシステムのため、独自の項目であっても作成し管理でき、ITリテラシーに合わせて少しづつ拡張できるので、無理なく利用できます。
拡張機能は、オプションのようなものでkintone用のプラグインや、特定の業務システムとの連携により情報を転記することなく一元管理を可能にします。
例えば、「見積書を自社のひな形に合わせて発行したい」というような場合に、kintoneの標準機能のみではできませんが「帳票出力プラグイン」を利用すれば可能になります。
他にも、「販売管理システム」「会計システム」「在庫管理システム」などの専門業務とAPIや専用コネクタ、iPaasなどを利用して連携することもできます。
このようにクラウドツールとして自由度が高く、改修・拡張ができるという点が優れている上に、まずは情報を入力する箱として社内情報のデジタル化にとても有効的です。
kintoneの基本的な活用方法
kintoneの基本的なを活用方法というとこですが、そもそもkintoneって何?という人もいると思うので、簡単に紹介いたします。
先にも記載しましたが、kintoneはノーコードシステムと言われる分類のひとつで、ノーコードつまりプログラミングコードを書かなくてもドラッグアンドドロップでシステムを作れます。
見た目の説明をしますと、ポータル画面は掲示板のように使えるダッシュボード、通知のお知らせを表示、スペースというアクセス制御ができるExcelのフォルダのようなもの、そしてアプリという役割別で利用できるシートのようなもので構成されていて、アプリを組み合わせながら使い勝手を良くするのがkintoneを使う際のコツにはなります。
社内情報の基本的な考え方として、情報を分類してみると大きく3つの種類にわけることができます。
①マスタ情報
どんな事業も存続しているということは売上がありますよね。売上があるということは、入金してくれる先があり、これを顧客としたときに、顧客のリストや、売上となる商品・サービスを商品リストなどのような固定的な情報を「マスタ情報」とします。
②業務フロー情報
売上となる行為、販売やサービス提供を案件としたときの案件管理や、請求を計上するときの請求、そして入金を確認するまで請求管理があります。このような案件管理、請求管理は主軸の業務となり日々流れていく「業務フロー」となります。
③補助情報
業務には営業マンの活動であったり、現場作業であったりと様々な活動や情報があり、このような日常的な情報を共有することで、社内の業務を問題なく進めることができます。情報としては案件管理や勤怠管理など管理するべき情報に紐づけることで効率化が進みます。このような情報を「補助情報」と考えています。
このような考え方は業務を整理し、皆で共有するために認識を合わせるためのものなので、無理やり分けなければいけないわけではなく、意識をすると整理しやすくなるという話です。
3つの分類を意識した基本設計を絵にしてみました。
日常的な業務としては案件があって請求管理をする。案件が進むためには営業や現場の作業が行われることが必要な業務となっている。という感じです。
案件管理の売上先となる顧客名は顧客マスタから情報を選択し、必要な情報を自動転記できるように作るので、わざわざ手入力をすることはありません。
これは、分類を意識しているのでアプリを分けているのですが、例えば現状Excelで案件を管理しているといった会社さんがkintoneを利用することにして作成するときに、分類を考えずに作るとどのようなアプリになるか見てもらいましょう。
ひとつのアプリにお客様を手入力し、その他の情報も盛り込んでいます。
このような作り方はNGではないのですが、今後拡張を考えたときには使いづらくなります。
kintoneで失敗しないために必要なこと
とても大事なことですが、システムとしての「機能」と入力・管理をする社内での「運用」はそれぞれに考える必要があります。
今までExcelに入力していた内容をkintoneに置き換えて使おうとしたときに、よくある話では「Excelに入力していた感じと同じようにしたい」と要望される会社さんが多くおられます。
先にも書きましたが、Excelでひとつのシートに入力されていた情報を、あえて別のアプリにわけることで効率化してデータを集約することができるようになります。
そのためには、入力の仕方をExcelと同じではなく少し手順を変える必要があるのですが、そのときに「入力が進まなくて使えない」ということが起きる場合があります。これは「機能」としてできないのではなく「運用」としてできない話です。
今までと同じ形でないと入力できない、手順が変わることに対応できない、ということです。
また、kintoneの標準機能ではできないこともたくさんあります。Aアプリで営業の活動を入力していて「契約」になったときに、Bアプリの案件管理のステータスも「契約」に変えたい!というような要望も良くあります。
この場合に、プラグインを利用すれば「機能」としてもできますが、最初からプラグインを入れるのではなく標準の「機能」ではできないことを、Aアプリを変えて、Bアプリも手で変えるというように「運用」で管理できるようにする。といった選択肢もあります。
kintoneは色々なことができて、自由にアプリを作れる便利なシステムですが、当然できないこともあります。そこを費用をかけて拡張するのか、運用でカバーするのか、などは社内で検討が必要です。
大事なことは「思っていたことができない」=「導入の失敗」ではなく、機能面だけではなく、社内の運用面でできることやできないことをしっかりと確認し、方針を決めていく必要があるということです。
kintone講座の内容
①kintoneを覚えたい人向け「kintone基礎講座」 1日(6.5時間) オンライン講座
・kintoneの社内担当者を増やしたい人
・kintoneアプリの構築をしたことがない人
・kintoneアプリ作りの基礎を学びたい人
②kintone導入支援を仕事にしたい人向け「伴走者教育講座」 2日(12時間)+模擬案件フォロー オンライン&オフライン講座
・社内でkintoneを活用する上で更に高度な設計思考を学びたい人
・kintoneを導入して利用したい企業の構築・サポートを仕事にしたい人
kintone導入・サポートを責任者といった立場で数多くの会社さんのkintoneに携わってきた経験から作られた講座になっています。DXのためのリスキリングとしても有効的なこの講座kintone(キントーン)の基礎知識だけではなく、社内で活用する具体的な方法も学ぶことができます。
kintoneはシステムの機能としてできることをいくら調べても、社内のコミュニケーションなくてはうまく使いこなすことができません。そして、業務効率化・生産性向上を実現するためには目指すべき目標を立てるといった会社全体での取り組みも必要です。通常のシステムのように入れたら終わりなのではなく、使いながら改修・拡張することが結果的に業務効率を上げるため、まずは社内情報のデジタル化から始めてみてください!
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