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サイボウズが無料公開!「DX人材育成ガイドライン」は何が書いてある?

人材育成ガイドライン

2023年8月28日にサイボウズ株式会社が企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)人材の育成のためのガイドライン「DX人材育成ガイドライン―ノーコード活用の先進事例―」をエン・ジャパン株式会社と共同で執筆し、無料で公開しました。

これは企業がDXを進めなければいけないと思い「DX推進課」を新規設置しても、そこに配置する適正人材がわからないことが多い現状の中で、とてもわかりやすく具体的に人物像をイメージできるものになっています。

ちなみに経済産業省が発表している「デジタル人材」の内容というのは、「デジタルスキル標準(DSS)」は、DXに関して全てのビジネスパーソンが身に付けるべき知識・スキルを定義した「DXリテラシー標準」と、DXを推進する人材類型の役割(ロール)や習得すべきスキルを定義した「DX推進スキル標準」で構成といった内容で、これは具体的にどういう人?といったイメージがどこまで読んでもわからないところがすごいです。

サイボウズ「DX人材育成ガイドライン」の作成背景

「DX人材の人物像が明確になっていないこと」がひとつの理由として記載されています。

実際にkintone導入サポートをしている現場でも、よくある話で「担当者の孤立化問題」があり、DXの基盤となる業務のデジタル化を進めようとしている担当者がなぜ企業内で孤立してしまうのか、これはDX人材というイメージが全くなく、ただ「今までの業務を変えようとしているめんどくさいやつ」みたいな感覚を企業が許しているといったところに問題があると感じています。

もし「DX人材」といった明確な役割を皆が認識できれば、社内の協力体制も作りやすくなるかもしれないですよね。

kintoneのようなノーコードツールは短期間でデジタルスキルを身につけることが可能になるため、事例を紹介しながらDX人材育成のイメージを持てるようなガイドラインとなっています。

DX人材育成とは

参照:サイボウズ株式会社「DX人材育成ガイドライン」

現実的かつ効果的と書かれているこの部分が、今日からでも取り掛かれる部分となっていて、読んでみるとその会社さんごとに社内にいるメンバーを頭に思い浮かべながら、まずは誰を配置し育成するか具体的な人物像を思い描くことができるくらいに具体的な説明が記載されています。

DX人材とはどんな人?

前提として「DX推進の発展段階(フェーズ)に応じて、求められる⼈物像は移り変わる」とあります。私も現場で企業さんに関わりながらリアルに感じていることで、そもそもDX推進と記載がある通り、DXはひとつの事柄ではなく、中期的に進めていく事柄なんですね。

ここが企業がDX人材という言葉を深く考えずに受け取っている部分でもあり、DX人材を入れたら解決ではなく、進めながら対応していくことが結果を出すためには必要です。

そして求められる人物像は移り変わりながらも、全体を通して必要なことは「変化に対応できる、しようとする気持ちがある人」であることで、DX人材育成ガイドラインの中にも「DXとは企業変革そのもの」といった内容が記載されていますが、事業内容・顧客・業務そのものすべて時代に対応し、変化していくものであり、システムを導入しデジタル化を進めるということはこのすべてにかかわる事柄でもあります。

「今まではこうやっていた」「今のままでも問題は起きていない」といった考えに捕らわれ、その声を大きくしようとする人材はどんなに勉強ができて、ITスキルを持っていたとしてもDX人材としては不適切と言えます。

DX人材とは・・・をスキル面でまとめた表現をしているページがあるので紹介します。

DX人材のスキル

参照:サイボウズ株式会社「DX人材育成ガイドライン」

変化に対応できる人が持ちたいスキルとしては「デジタルスキル」「組織変革スキル」となります。

ここで「プログラミングできないし!」と思った人もいるかもしれませんが、kintoneの強みはここにあります。プログラミングの知識がなくても構築できるノーコードツールなので、ドラッグアンドドロップでシステム構築ができるのです。

記事を書いている私も「kintoneすごい!」と思ってしまいました(笑)

ただ、システム思考は必要で、ドラッグアンドドロップで構築はできるけど学ぶ姿勢がなければ必要なスキルにはならないということは覚えておいてください。

逆に言えば、前向きに取り組む姿勢さえあれば、デジタルスキルは短期間で身につくものになります。

組織変革スキルとは?

聞きなれない言葉で今まであまり意識もされてこなかったスキルだと思いますが、言われてみれば「こういう人いたわ」と思い当たるかもしれないです。

参考となっているIPA独立法人情報処理推進機構の資料は一つのPDFが90ページなど大量の情報となるので、読んでいるうちに何を知りたかったか忘れそうになるような内容ですが、DX人材育成ガイドラインでは2つの項目に絞り、とても簡潔にまとめてくれています。

〈スキル〉
・問題解決能力
・仮説検証力
・業務設計力
・共創・交渉力

〈マインド・スタンス〉
・顧客・ユーザーへの共感
・常識にとらわれない発想
・反復的なアプローチ
・変化への対応
・事実に基づく判断
・柔軟な意思決定

(参考:”デジタルスキル標準”︓IPA 独⽴⾏政法⼈ 情報処理推進機構

マインド・スタンスが6つ記載されていて、これをすべて満たしている人というのは感覚的なことにもなりますし、具体的なスキルとしてはイメージしづらいかもしれませんが、私が現場で感じてきたのはkintoneを導入し、少しずつ色々な業務をkintone化する中で身についていくものでした。

自分の担当ではない仕事をkintone化するときに、使う人の目線になって考える。
・今までは〇〇だったけど、△△に変えてしまっても良いんじゃないか。
・データを積み上げないと先がわからないから、まずはできることからやってみる

このような思考からの行動は、結果的にここで記載されてある「マインド・スタンス」に該当するようなスキルになっています。

DX人材の育成

人材育成のゴール

参照:サイボウズ株式会社「DX人材育成ガイドライン」

今、まだ社内に「DX人材」がいないと感じる企業にはとてもわかりやすい表現をしているのがこちらのページとなります。

非IT人材が使う「DXの道具」の要件としてとても大切なのが「トライ&エラーができること」という部分にとても共感します。

企業DXを推進するにあたり、一番失敗するパターンとして既存業務をそのままシステムに置き換えることで、今まで属人的におこなっていて判断が曖昧だった業務も多くある中で、それをシステムに転用することは意味がありません。

変化に対応する人材ということも含め、今までは○○だったけど、△△の方が良いかもしれないからやってみようという気持ちで取り組むことが正解への近道で、それができるDXの道具として適しています。

ノーコードツールは取り組みやすく、最初の機能的な部分はわりとすぐに覚えることができます。しかし、そこからアウトプットとして活用することで、考えながらできるようになり、その先に実践として考えなくてもできるスキルが身につくということですね。

DX人材育成を行うにあたり適正配置をする

補完として、エン・ジャパン株式会社の資料がまとめられています。「DX人材になりうる人は変化に対応できる人、又は対応しようとする人」と先にも記載しましたが、具体的にはどのような人なのかを見極めるのにとても参考になります。

エン・ジャパン性格特性

参照:エン・ジャパン株式会社

エン・ジャパンで行っている適正テストでは表面的にも見えづらい性格特性や価値観を把握しているとのことで、その理由は「変わりにくいもの」だからです。

この適正テストは次の5タイプにわかれてくるようです
・セルフスタータータイプ(主体発信型)
・フォロワータイプ(協調従順型)
・カメレオンタイプ(臨機順応型)
・スペシャリストタイプ(自立遠慮型)
・コメンテータータイプ(依存発信型)

詳しくは「エン転職の適性検査」の記事を見てもらうのが良いですが、例えばコメンテータータイプ(依存発信型)の人がパソコン仕事をコツコツと確実にこなしているのを見て、きっとITが得意なんだ!と思い「明日からDX担当者としてkintoneを作ってくれ」と任命したらどうなると思いますか?

DX人材として育成できる対象ではありますが、組織変革スキルにあった「問題解決・仮説検証・業務設計」をみなに協力してもらうために先陣切ってリーダーシップをとるにはストレスが大きくなると予想されます。

「明日からDX担当者としてkintoneを作ってくれ」と任命するのは、セルフスタータータイプ(主体発信型)の人で、コメンテーター(依存発信型)の人にはチームメンバーとして協力してもらうことが適正だと考えられます。

企業は当然、適材適所で人員配置を行っているのですが、DX人材となると現状正解の筋道がなく、手探りで行っている会社がほとんどです。だからこそ、今までの感覚や経験値のみに頼らず幅広く情報を収集し、時にはこのような適性検査も行いながら進めていくのもひとつの手段です。

DX人材育成・定着まで配置のあとにやるべきことは育成→マネジメント→経験学習など時間をかけて行う必要があります。アンラーニング(時代遅れになった知識を捨てること)の必要性も記載がありましたが、とても共感できることで「今まではこうだった」ということに固執していると、何も変えることができません。「これからはどうするべきか」を前提にノウハウを入れ替えていくことが必要です。

DX人材育成ガイドラインのまとめ

企業がDXを目指して進めることは必須となってきました。時代が進む中で業務内容をデジタル化し、もっと利益を上げるため、社員満足度を高めるためなど様々な目標を叶えるために、情報の分析を行い、的確な施策を行う企業が当たり前になります。

これから先に「やっぱり事務所でアナログに業務するのが良いよね」となることは難しく、デジタル機器を当たり前として大人になった世代が社会の中心になっていくときに「必ず会社に戻って業務日報を自社サーバーに保存されているExcelに入力するように」なんで言われたら、「この会社に未来はない」と感じてしまうでしょう。

クラウドシステムの取り扱いを始めた頃に訪問した企業では、「Excelマスター」と言われる人が存在し、その人が退職したので困っているんです。といったこともわりと良くある話でした。

今まで「Excel・Word講座」に行っていた人たちが、「ノーコードツールの使い方」「DX人材としてのマインドスキル」といった内容で講座を受け、DX人材としてどんどん育っていきます。

私たちも「DX人材育成ガイドライン」を意識しながら、kintoneを軸に企業のDX化を具体的に進める方法を講座として提供していきます。

まずは学ぶことから始め、アウトプットしながらマインド・スタンスを実践で身につけるしか具体的に落とし込んだ形でDX人材育成を理解することはありません。

どんな企業にも必要とされるDX人材になることは、仕事の幅を広げるとともに、人としての成長できることでもあります。他人事ではなく自分事として読んでもらえたらとうれしいです。

伴走ナビ管理人
サイボウズパートナーのペパコミ株式会社で年間100社以上のkintone構築と伴走サポートの案件に携わり、kintoneだけでなくプラグイン設定も数多く経験。システム機能だけではなく、社内業務コンサルとしての目線で中小企業のDX化を推進しています。
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