kintone資格の難易度は?試験の種類や合格できる勉強法を徹底解説
kintoneには、kintoneを用いたアプリ構築スキルを証明するための資格が存在します。
kintone資格を取得すると開発スキルを証明することができ、ビジネスをよりスムーズに進めることが可能となります。
今回の記事では、以下のことについて詳しく解説します。
- kintone資格の概要
- kintone資格の種類と難易度
- 資格取得までの流れ
最後までお読みいただき、kintoneの資格に関する情報を入手しましょう!
目次
kintoneの資格とは?
kintoneの資格とは、kintoneを運営する企業であるサイボウズ社が提供している資格試験のことを指します。
kintoneに関する基礎知識と各分野の専門技術をもとに、kintoneを活用した業務の効率化や改善、チームワークの向上に関するスキルを証明することができます。
資格は4段階に分かれており、基礎的なスキルから順に受験することが可能となります。
「アソシエイト」は基礎的なkintoneの理解を証明
kintoneの資格の中で最も基礎的なものは「kintone認定 アソシエイト」です。受験資格は特になく、どなたでも受験することができます。
ただし、アソシエイトの資格試験ではkintoneの機能を正しく理解できているかを問われますので、kintoneの利用をし始めて、知識が身についてきた頃に受験することをおすすめします。
kintoneの公式では受験の目安は経験1年と謳われています。(受験の要件でありません)
上位資格も存在する
kintone資格には上位資格が存在します。
kintone資格は4段階、6種類の資格に分けられており、上位資格を受験するためには下位資格を所持していることが条件となっています。
また、資格はビジネススキルと開発スキルに分かれており、それぞれの下位資格を取得していることで上位資格の受験が可能となることに注意が必要です。
上位スキル、下位スキルの関係は以下の通りです。
ビジネススキル
「アプリデザインスペシャリスト」資格を取得していることで、「カイゼンマネジメントエキスパート」資格を受験することができます。
開発スキル
「カスタマイズスペシャリスト」資格を取得していることで、「システムデザインエキスパート」資格を受験することができます。
ビジネスキル/開発スキルの資格を受験するためには、まず初めにアソシエイト資格を取得しておく必要があることに注意しましょう。
kintone資格の種類と難易度
kintoneの運用会社であるサイボウズが展開している資格は、現在、以下の5種類です。
- アソシエイト
- アプリデザインスペシャリスト
- カスタマイズスペシャリスト
- カイゼンマネジメントエキスパート
- システムデザインエキスパート
※最上位スキルとしてビジネスソリューションアーキテクト資格の公開が予定されていますが、記事執筆時点ではまだ公開されていないため5種類としています。
それぞれの資格によって証明できるスキルや出題ポイント、難易度が異なります。
この章では、kintone資格のそれぞれの内容と難易度について解説します。
基礎スキル
基礎スキルに分類されるのはアソシエイト資格です。
kintoneの基礎的な知識とkintoneを活用した業務改善スキルがあることを証明できるものです。
次の項でアソシエイト資格の概要を詳しく解説します。
kintone認定 アソシエイト
アソシエイトはkintone資格の中で最も基礎的な知識を問われるものです。概要は以下の通りです。
受験資格 | なし |
受験対象 | kintoneでアプリを作成したことがある方kintoneのアプリ設定やシステム管理に携わる方kintoneの基礎知識について体系的に学びたい学生・社会人の方など |
出題数 | 50問 |
主な出題範囲 | アプリの作成(JavaScriptカスタマイズは除く)レコードの操作kintoneの各種設定と概要kintoneの契約内容kintoneの活用方法など |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 70% |
出題形式 | 多肢選択式 |
受験料 | 一般価格 16,500円(税込)学割価格 11,000円(税込) |
受験資格は特になく、どなたでも資格試験にチャレンジすることができます。
出題は多肢選択式で50問、試験時間は60分、合格基準は70%以上の正解率となっています。
資格試験のための勉強を通して、kintoneの知識を習得できますので、kintoneの基礎知識について学びたい方にもおすすめの資格だと言えます。
専門スキル
専門スキルは「ビジネススキル」と「開発スキル」に分かれており、それぞれのスキルにおいて資格が用意されています。
kintoneを使った効率的な業務システムを構築・提案することができることを証明する資格であり、アソシエイトよりもハイレベルな内容となっています。
求められる活用経験は、kintoneで構築する業務システムを提案する機会がある方となっています。
kintone認定 アプリデザインスペシャリスト(ビジネススキル)
kintone認定 アプリデザインスペシャリストはビジネススキルに分類されるkintone資格です。詳細は以下の通りとなっています。
受験資格 | kintone認定 アソシエイトに合格していること |
受験対象 | kintoneの基本的な機能について理解しており、実際に業務アプリを構築した経験がある方kintoneを業務上のコミュニケーションツールとして活用した経験がある方kintoneアプリの変更やアクセス権限の設定など運用保守の経験がある方など |
出題数 | 40問 |
主な出題範囲 | kintoneを活用した業務改善プロジェクトの企画業務の状況に応じた、kintone上のデータ・プロセス・コミュニケーションの設計、構築新しい業務アプリの定着化、トラブル対応の方法など |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 70% |
出題形式 | 多肢選択式 |
受験料 | 一般価格 22,000円(税込)学割価格 16,500円(税込) |
受験対象はkintoneを用いて実際に業務アプリを構築した経験を持つ方であったり、kintoneの運用保守ができる方となっています。
出題は多肢選択式で40問、60分となっており、業務課題を解決するためのシステムをkintoneにあった方法で構築できるかをシナリオ形式で問われる問題となっているようです。
アソシエイトに合格していないと受験することができませんのでお気をつけください。
kintone認定 カスタマイズスペシャリスト(開発スキル)
kintone認定 アプリデザインスペシャリストは開発スキルに分類されるkintone資格です。詳細は以下の通りとなっています。
受験資格 | kintone認定 アソシエイトに合格していること |
受験対象 | kintone APIやcybozu.comの機能について理解しており、プログラミングによるkintoneカスタマイズ開発の経験がある方kintoneの基本機能とカスタマイズ開発の使い分けについて理解しており、kintoneカスタマイズの提案と開発の経験がある方など |
出題数 | 40問 |
主な出題範囲 | kintone APIの共通仕様kintone REST APIを利用したレコード、ファイル、スペースの操作方法与えられたシナリオとkintone APIの制限事項を考慮したカスタマイズ方法継続的な運用を想定した場合の、kintoneの基本機能とカスタマイズなど |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 60% |
出題形式 | 多肢選択式 |
受験料 | 一般価格 22,000円(税込)学割価格 16,500円(税込) |
カスタマイズスペシャリストはkintoneをカスタマイズするときに必要なkintone APIなど、各APIに関する設定方法を理解しているかを問われます。
また、セキュアコーディングガイドラインについても学ぶことができるため、複数システムを連携した仕組みを構築する方におすすめです。
こちらの資格もアソシエイトに合格していないと受験することができませんのでお気をつけください。
専門スキル 上級
専門スキルの上位資格は2つあります。ビジネススキルの上位資格である「カイゼンマネジメントエキスパート」と開発スキルの上位資格である「システムデザインエキスパート」です。
kintoneの利用戦略やガバナンス方針、体制を整備して、継続的な業務改善を推進できる人材であることを証明することができる資格です。
こちらの資格試験は一次試験と最終試験に分かれており、両方合格しなければ資格を取得できませんのでご注意ください。
上位資格ということもあり、合格までの難易度は高いと言えます。
kintone認定 カイゼンマネジメントエキスパート(継続的業務改善スキル)
カイゼンマネジメントエキスパート資格はアプリデザインスペシャリストの上位資格です。資格試験は一次試験と最終試験に分かれています。
一次試験の概要は以下の通りです。
受験資格 | kintone認定 アプリデザインスペシャリストに合格していること |
受験対象 | kintoneの特性を理解し、kintoneを活用して継続的な業務改善を推進できる方業務の本質を見極めた上で、適切に業務改善の目的を設定して業務改善の企画ができる方現場主体の業務改善を実施する上で、従来のシステム構築のやり方にとらわれず、業務要件に応じてプロと連携して進められる方kintoneを利用した業務システムを適切に社内へ展開・定着化することができ、業務改善の効果を出せる方kintoneを活用した業務改善を推進した実績がある方 |
出題数 | 小論文:大問3つ、小問各5つ実績登録:論述テーマ1つ、小問3つ |
試験時間 | 140分 |
合格基準 | 小論文:70%実績登録:70%※それぞれ合格基準に到達する必要あり |
評価方法 | kintone SIGNPOSTにおける7つのSTEPを評価観点として複数の採点者で採点し、その平均を元に算出 |
出題形式 | 多肢選択式および記述式試験 |
受験料 | 33,000円(税込) |
最終試験は以下の通りです。
受験資格 | kintone認定 カイゼンマネジメントエキスパート1次試験に合格していること |
出題範囲 | kintoneで継続的な業務改善を実現するために必要な考え方および手順 |
出題数 | 20問 |
試験時間 | 45分 |
合格基準 | 70% |
試験方法 | オンライン試験 |
出題形式 | 多肢選択式 |
受験料 | 不要 |
備考 | 1回に限り再受験が可能 |
カイゼンマネジメントエキスパートは小論文と実績登録を総合的に判断する試験であり、それぞれが合格基準に達した後、確認試験を経て認定されます。
kintone認定 システムデザインエキスパート(プロジェクト推進スキル)
システムデザインエキスパート資格はカスタマイズスペシャリストの上位資格です。資格試験は一次試験と最終試験に分かれています。
一次試験の概要は以下の通りです。
受験資格 | kintone認定 カスタマイズスペシャリストに合格していること |
受験対象 | kintoneの特性を理解し、kintoneを利用した業務システムの構築プロジェクトを推進できる方構築プロジェクトのライフサイクルを理解した上で、効率的で安全な業務システムの設計・構築ができる方現場リーダーに対して、現場主体の業務改善を実施する上での留意点を、プロジェクト推進やシステム設計の観点から助言ができる方kintoneを利用した業務システムの運用・保守時のトラブルについて、原因追求や改善対応ができる方kintoneを活用した業務構築プロジェクトを推進した実績がある方 |
出題数 | 小論文:大問3つ、小問各5つ実績登録:論述テーマ1つ、小問3つ |
試験時間 | 140分 |
合格基準 | 小論文:70%実績登録:70%※それぞれ合格基準に到達する必要あり |
評価方法 | kintone SIGNPOSTにおける7つのSTEPを評価観点として複数の採点者で採点し、その平均を元に算出 |
出題形式 | 多肢選択式および記述式試験 |
受験料 | 33,000円(税込) |
最終試験は以下の通りです。
受験資格 | kintone認定 システムデザインエキスパート1次試験に合格していること |
出題範囲 | kintoneで継続的な業務改善を実現するために必要な考え方および手順 |
出題数 | 20問 |
試験時間 | 45分 |
合格基準 | 70% |
試験方法 | オンライン試験 |
出題形式 | 多肢選択式 |
受験料 | 不要 |
備考 | 1回に限り再受験が可能 |
カイゼンマネジメントエキスパートと同様に、システムデザインエキスパートは小論文と実績登録を総合的に判断する試験であり、それぞれが合格基準に達した後、確認試験を経て認定されます。
ビジネスソリューションアーキテクト(総合スキル)
kintone構築プロジェクトやkintone継続的業務改善において、一定の実績を重ねていることを証明するスキルとしてビジネスソリューションアーキテクト資格が設立されました。
現在準備中の資格試験であるため、詳細は公開後の解説となります。
ビジネススキルと開発スキルそれぞれで資格が分かれていることに注意
kintone資格では、アソシエイトの上位資格として、ビジネス系と開発系で資格が分かれていることに注意する必要があります。
いずれの資格も取得することは可能ですが、資格取得までには一定期間の勉強時間を確保しなければならないことを念頭に置いておきましょう。
ご自身のキャリアプランに合わせて、ビジネス系のkintoneスキルを極めたいのか、開発系のkintoneスキルを極めたいのかをよく検討しなければなりません。
kintone資格受験までの流れ
この章ではkintone資格受験までの流れについて簡単に解説します。
試験サービスの登録
kintone認定資格はピアソンVUEで提供されるため、アカウントを作成する必要があります。
(オンラインの場合のみ)ネットワークと利用端末のテスト
オンライン受験の場合には、受験の前にネットワークと利用端末のテストを行いましょう。
試験の申し込み
試験の申し込みは先ほど登録したピアソンVUEで行います。詳細はこちらをご覧ください。
受験する
テストセンターもしくはオンラインで受験します。試験の当日は本人確認書類が複数必要となりますので、あらかじめ所持品を確認しておきましょう。
試験結果を確認する
試験結果はその場で確認することができます。試験に合格された方はピアソンVUE上で認定証をダウンロードすることが可能です。
認定マークを受け取る
合格後、2週間程度で名刺などに利用できる認証マークを受け取ることができます。
kintone認定 アソシエイト試験合格のための勉強法
アソシエイト資格はkintone資格の登竜門です。この章では、アソシエイトに合格するための効率的な勉強法について解説します。
まずはkintoneの基本的な利用方法を理解する
まずは「kintoneとは何か」「どのようなサービスなのか」を確認するために、実際のシステムに触れるなどして、基本的な利用方法を理解しましょう。
実際に触ってみることでkintoneの機能がイメージできるようになりますので、座学を始めた時の理解度も高くなるはずです。
kintoneは有料のサービスですが、30日間無料で利用することができるお試しサービスが提供されています。詳細はこちらをご覧ください。
kintone試験対策動画を活用する
kintoneの運営会社であるサイボウズ社公式のkintone試験対策動画が提供されています。kintoneに関する体系的な知識をわかりやすい動画で学ぶことができます。
まずはkintoneの基本概要について知り、kintoneのアプリを作る動画講座、そしてより使いこなすための方法を学ぶ動画講座に移っていくとよいでしょう。
kintone試験対策動画のリンクはこちらです。
kintone認定 アソシエイト試験の対策テキストで学習
kintoneアソシエイト試験の対策テキストが公式で出版されています。アソシエイト試験の出題範囲がほぼ全て網羅されており、理解度チェック問題や解説を通してkintoneの知識を深めることができます。
詳細はこちらをご覧ください。
kintone認定 アソシエイト試験の練習問題で理解を深める
一通りの学習が終わったら、アソシエイト試験の知識がどのくらい身についているかを確認するための練習問題にチャレンジしましょう。
この練習問題はkintone運営元のサイボウズ社が公式で提供しているものです。
アプリやスペース、管理者設定などのカテゴリーから全45問が出題されます。
練習問題を通して、身についている知識と理解が不足している知識を区別し、苦手な問題に関しては繰り返し復習を行いましょう。
実際の試験では応用問題も出題されますが、こちらの練習問題には含まれていないことだけお気をつけください。
練習問題のページはこちらです。
まとめ:kintoneの資格を取得してスキルをアピールしよう
この記事ではkintoneの資格に関する情報を詳しく解説してきました。
kintone資格を取得することでkintoneに関するスキルを所持していることを証明することができます。
また、経験やレベルに応じて資格がそれぞれ設定されているため、kintoneの開発スキル向上を目指すモチベーションにもなります。
上位資格になればなるほど難易度は上がりますが、実務経験を積み、コツコツと勉強することで合格することも夢ではありません。
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