基礎構築をしないkintoneは要注意!知っておくべき基礎構築のポイントとは!
日本の多くの中小企業では、基幹システムを持たずに一部の業務のみシステムを使っていて、例えば、案件や顧客リストをExcelなどで管理し、注文の受付や請求書発行だけを販売システムを利用しているなど情報がそれぞれの業務別に管理されています。
そんな中、DX化を目指してkintoneを候補に情報の一元化を検討する会社さんが増えています。
DX化として情報をつなげていくためには、会社で行う業務単位で別のシステムを使っていてはデジタルデータをつなげていくことが難しいため、データを集約していく仕組みが必要になり、どうすればその仕組みをつくることができるのかを検討する中で、kintoneが様々なシステムと連携できることもあり候補に挙がってきます。
ただ、連携する前には全体的な仕組みをしっかりと設計する必要があり、また連携以前にkintone導入にあたり初期の段階で知っておいてほしい基礎構築もあります。基礎構築を間違えると使いづらく運用が困難となり、結果的に失敗となる可能性が高くなるため、ここは押さえておいてください。
kintoneの基礎構築とは
家を建てるときに必ず基礎工事を行うのと同じように、kintoneも基礎構築を行うことで、その先の拡張や連携をスムーズに行うことができ、逆に基礎構築を行わずにkintoneで業務を回していくと、拡張するときに大幅な改修を行うことになります。
基礎構築と言っている内容で最初に意識するべきは、会社が存在する以上必ず「売上」があり、その売上は案件から発生するため、顧客→案件→売上という流れとなります。
最初から案件管理をする必要はありませんが、軸となる情報は確認しておきましょう。
・顧客(取引先)リスト
・案件(販売)管理+売上(請求情報)
そして、案件を獲得するための見込~受注や受注後の進捗・作業など、売上となる商品・サービスと様々な業務が発生しているため、どのような流れで業務が行われているかの確認もしておくとよいです。
アプリの種類は大きく分類すると3つのイメージがあります。
・固定情報(顧客リスト・商品リストなど)
・業務フロー(案件管理・請求管理など)
・補助情報(活動・作業・日報など)
少なくとも顧客(取引先)リストはマスタデータとしてアプリを作成する必要があり、案件に関しては業種業態によって、どの単位で1案件とするかを決めていなくても、顧客マスタに紐づけた形で作成を検討しておく必要があります。
会社は売上がないと成り立たず、入ってくるお金と出ていくお金の差分が大きければ安心ですが、少なければ改善しないといけません。その内容を分析するためにデータを集約する必要があり、その方法としては社内がDX化されているととても効率よく実現できます。
kintoneのマスタ整備
基礎構築として、先に書いた「顧客マスタ」ですが、意外とちゃんと管理されていない会社さんが多く、案件一覧として言って突合してみると、前年と今年では同じ会社さんの名前カタカナが全角と半角で違ったり、アルファベットとカタカナだったりと目視では同じ会社と認識できても、システム上は別の会社と認識されます。
このように微妙に入力状態が違うことを「表記ゆれ」と呼びます。
この表記ゆれは手入力で顧客名や商品名を入力すると必ず起きることで、マスタデータを作成するにあたり、最初に修正することになります。今までkintone導入をサポートさせてもらった会社さんの過半数がこの作業に時間を要しているので、この記事を読んだ方はぜひ自社の顧客(取引先)リストや、商品リストを見直してみてください。
kintoneでなく、別のシステムを導入するとしてもやらなければいけない作業なので、早めに手掛けておくことをお勧めします。システム上、案件を顧客に紐づけて管理するときに、顧客名は手入力せずにマスタデータから選択をすることになり、この選択して紐づけることで分析できるデータとなっていきます。
ちなみに顧客マスタとして登録する情報について「見込客でも登録するのですか?」という質問がよくあり、これは会社さんによって様々ですが、とくに決まっていない場合は経営目線で考えてと軸となるのは「お金が発生する」がひとつの目安にするとよいと考えています。
売上はお金を払ってもらっている顧客と連動していますが、お金を払っていないお客様は見込となり、売上とは直接連動していないので、軸をわけて管理しておくという考え方です。
あくまでも一般論なので、参考にしてください。
kintoneの案件と売上
案件情報も集約するためにはとても大事な情報のひとつで、よくある話が「業務内容ごとに管理している」ことによって、会社としての全体売上は試算表でしか確認できない状態です。試算表は結果入力から作成されるものなので、今どのくらいの案件を抱えているのか?といった視点であったり、社内共有するには別資料として作成しなければならなかったりと、切り離された情報です。
まず、社内案件の件名と状態だけでもどこかに集約するように作ると、そこから派生して事業別や内容ごとの管理はできるので、その基本となる案件一覧は作成するべきと考えています。アプリの設計上、どうしても案件一覧を作るのが難しい場合は、プラグインを使って集約することは可能ですが、導入時に集約させることを意識するとしないではその後の手間や費用が全然違ってきます。
kintoneを何で使いたくて導入を検討しているかにもよるので、絶対ではないのですが、会社の中にそのような案件をすべて確認できる場所はどのなのかは認識しておいてください。
業務の一部でkintoneを導入することになったとしても、全体のDXを考えるときにはどんな業務も売上に関連しているので、どこに紐づけていくのかを知っておく必要はあります。
まとめ
会社の基礎となる売上に直結する情報を基礎構築で設計しておくと、部分てきなところからkintoneを使用したとしても、全体の構築につなげていくことができること、業務範囲を広げていくときにも大きな改修ではなく、積み上げていくことで簡単にひろげていくことができます。
まだシステムを入れるまえでもできるマスタ整備からでも、取り掛かるとよいかと思います。
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